去年の10月31日。
上京1年目の私は大学で仲良くなった亜衣と、二人で仮装して街へ出ました。
実家にいたころ、毎年のようにテレビで『ハロウィンで若者が暴走』みたいなのニュースを見ていたので、少し不安もありましたが、やっぱり少しは興味もあって…と迷っていたところに、何かと積極的な亜衣に後押しされ、出掛けてしまいました。
春に上京して半年、東京の人混みにも、すっかり慣れたつもりでいたのですが、いつも以上の人出や独特の盛り上がりにはかなり圧倒されました。
でも、亜衣はすっかり上機嫌で楽しんでいる様子だったし、私も楽しくないわけではありませんでした。
ですが、時間が進むにつれ、悪ノリする人やお酒が入った様子の人も増えてきたような気がしていると…
案の定、知らない男の人たちに絡まれてしましました。
その男の人たちは私たちより割と年上に見えましたが、お酒が入って悪ノリしている様子でした。
亜衣が「これから約束があって…」と何とか断ろうとしたのですが、お酒の勢いもあるのか、男の人たちは全く聞く耳を持たず、私の腕をつかんでどこかへ連れていこうとしました。
その時、私たちと同年代らしき男の子たちが助けに入ってくれたのですが…この男の子たちがまたチャラい(汗)
私は内心『何これサイアクー!』と思いましたが、男の子たちは純粋に男の人たちの様子が許せなかったみたいで、私たちを助けようとしてくれました。
ですが、男の人たちは、私たちが自分のツレだと言い出したのです。
すると、男の子のひとりが私を指さして…
「そんなわけねーだろ!コイツは俺の彼女だ!!」と叫びました。
もちろん、男の人たちは『そんなことあるか!』と即座に反論し始めましが、亜衣が『そんなことあります!その人、この子の彼氏ですー!!だから約束があるって言ったじゃないですか!』と、その嘘にのっかったのです。
どう考えても見え見えの嘘ですが、亜衣が機転を利かせて男の子の言葉にのったものだから、男の人たちは引っ込みがつかなくなったのか、大声で文句を言いながらどこかへ行ってしまいました。
『見た目はチャラいけど、いい子たちだな…見た目で人を判断しちゃだめだよね…』
などと思いつつ、助けてくれた男の子たちを落ち着いて見ると…
なんと!私を彼女だと言い出した方の男の子は、私が高校時代憧れていたサッカー部の三田村先輩だったのです!
でも、当時の先輩はめっちゃ爽やか系スポーツマン…なのに、この目の前の男の子チャラさは…もしや人違い?と、言い出せずにいると…
「…アンタ、どっかで会ったことあったっけ?」
と、先輩から声をかけてくれました。
私はすぐに出身高校を伝え、先輩の部活を見に行っていたことなどを話しました。
その日、私たちは連絡先を交換して、もう一年になります。
最初は先輩の外見の変貌ぶりに戸惑いましたが、連絡を取り合ううちに、外見は変わっても
真面目な性格や優しい笑顔は変わらない先輩を、私はまた好きになりました。
今年の10月31日は、先輩や亜衣たち共通の友人で集まってホームパーティーです。
一年たっても、まだ先輩とはお付き合いしているわけではないですが、最近では二人で出かける機会も増えて、今とても幸せです。
written by とり乃から揚げ
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