ずっと前にすきだった先生

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私が中学生の時に好きだった先生の話です。
その先生は私とは30歳の年の差があり髪はオールバックでいつもワイシャツとネクタイと白衣を身につけていて、背が高く、目つきも悪く、口調も悪くて、仏頂面だったのと生徒指導部主任のため皆から怖がられていました。
私も正直怖かったのですが中学2年に上がった時その先生が理科の担当になってしまって皆の顔から血の気が引いていきました。
ですが話してみると優しくて、私の相談にも丁寧に対応してくれました。私は、学校では誰もが恐れる生徒指導部主任の先生を唯一怖がらない生徒になりました。
仲良くなればなるほど楽しくて笑顔の優しい先生に惹かれていきました。
しかし事件は中三の時に起こりました。
その先生が私と仲良くしていたのを校長先生がよく思わず、高校から入る人のみを教える先生になりました。私の学校は中高一貫なのですが高校から入る人と一貫で校舎が別々でした。
どうしても関わりたかった私はその先生が顧問をしている生物部に入り誰よりも早く部室へ行って白衣に着替えてはお話をしていました。
話せば話すほど好きになっていき、先生に彼女はいないものの告白することも出来ずに、歯がゆい思いをしたままでした。
私は先生に惹かれながらも先生をどうにか一貫の先生に戻れないかと模索していました。
1年半が過ぎ高校一年生の頃なんだかその先生が私に対する態度が冷たくなった気がしました。そしてついうっかり校長先生に向かって「どうして、松本先生(仮名)を高校へ移したのですか!?校長たる先生が私情で移すなのおかしくないですか!?」と泣きながら言ってしまいました。
きっともう無理だと自分の中で思ってしまったゆえの言葉でした。それを聞くと校長先生は「前から思っていたがお前は精神障害者ではないか?頼むから学校に来ないでくれ。処分じゃない。説諭だ。」と言い放ち処分じゃないものの無期停学のようなものになってしまいました。毎日外に出ていないかの監視の電話が家に鳴り、担任が嫌そうに私に話しかけます。精神科へも連れていかれましたが何の異常もありませんでした。
そして1ヶ月がすぎた頃私の家族がついに怒りこのままじゃ勉強にもついていけなくなるということで別の高校に転校することになりました。そして私はもうあの先生に会えなくなりました。
転校してからはそれなりに楽しく過ごしていたのですが、前の学校の友達と話をしていた時に話されたのがその先生のこと。「松本先生が冷たかったのは校長先生に圧力をかけられたからだそうよ。ごめんねだって。」それを言われた瞬間私は泣き崩れました。
そしてそれから時は過ぎてオープンキャンパスの時期になりました。オープンキャンパスへ行くとその先生が前の学校の生徒を2人ほど引連れて居ました。
驚きながらも挨拶すると「久しぶりだな」と言われ
頭を撫でられました。死ぬほど嬉しかったです。
オチはありませんがそれが今でも忘れられない甘酸っぱい先生に対する恋心でした。

written by 美紅

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美紅

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