先生とわたしの2年間

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当時中学校2年生だったとき、理科の先生が変わり、人気だった先生になりました。
わたしは理科が大の苦手でテストはいつも赤点。
いつも先生のところに行って勉強を教えてもらっていました。2人きりの理科室。他の生徒や先生に見られてしまうと人気であるがゆえに変な噂がたってしまうのをおそれてひっそりとやっていました。学校のこと、部活のこと、家のこと、悩みごと、たくさん先生と話すうちにいつのまにか先生のことが好きになっていました。
今思えばもしかしたら親よりも私のことを理解してくれていたかもしれません。
でも、テストは理科以外上手くいっていなく、焦りが募りに募っていました。
そのストレスからか、学校は涙をこらえながら通っていました。
ある時、質問があり先生のところに。
2人きりの教室、いつものように元気がないわたしに気づいた先生が「どうした?」と聞いてきました。優しくて低いその声に留めていたものが溢れて、涙が止まりませんでした。進路のことな悩んでいること、涙ながらに話すのを先生は背中をさすりながら聞いてくれました。涙も止まるころ、先生は「俺がいるから、大丈夫だからな」と言ってくれました。「先生に会いに来るために学校に来てもいい?」と聞くと「俺もお前に会いに来るために来るよ」と言って抱きしめてくれました。それが私の告白だと気付いてくれたようでした。
3年生になって、さらに先生といるようになりました。放課後、静まった理科室で勉強を教えてもらっていました。ふと顔を上げると先生はいつも優しく微笑んでくれました。
晴れて学校も決まり、卒業しました。先生と2人で出かけた時に正式にお付き合いをしてほしいと頼みましたが、「俺は重い病気なんだ、お前には前を向いていてほしい」と言われました。今までそんな話をしてくれなかったので、とても悲しかったのを覚えています。それでもいい、と私は押し切り、晴れて彼女になったその数ヶ月後、彼は息を引き取りました。
周りの目を気にして1、2回しか一緒に遊びには行けませんでしたが、とても幸せな日々を過ごせました。今私は社会人となり、彼氏もいます。彼もこの先生の教え子です。もちろん、彼には先生のことを話して理解をしてくれました。
亡くなる直前、先生が「幸せになれよ」と何度も言っていました。先生との思い出を胸に、私はこれからも、幸せな人生を歩んでいきたいです。

written by ゆうり

エピソード投稿者

ゆうり

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