私が学生の頃のお話です。
2年生の冬、同じクラスでしたがそれまであまり話したことがなく、クラスでもあまり目立たない彼に突然話しかけられました。
彼は言いづらそうにしていましたが、一緒についてきていた彼の友達がみかねて話し始めました。
どうやら彼は、私の親友のことが好きで、協力してほしいとのこと。
私は当時、親友には別の好きな人がいることを知っていましたが、その相手はあまり良くない噂のある相手だったので、別の人に目を向けてくれたら、と考え協力を了承しました。
彼に、親友の好きなもの等情報共有し、時には親友へのプレゼントを一緒に選びにいきました。
同じクラスということもあり、作戦会議等で一緒に過ごす時間は徐々に多くなっていました。
そんな中で、どうして親友のことを好きになったの?と聞いたら、「ある日教室に入ったら目の前にいて、おはよう!って微笑まれて、一目惚れ」と言われ、なんて純粋な人なんだろうと思いました。
また話していくうちに、考え方や好きなもの嫌いなもの笑いのツボ、他にも色々たくさんのことが似ていることに気付き、お互いに前世は双子だったんじゃないか?と笑っていました。
私は彼のことを好きになりかけていましたが、親友のことが好きということを知っていたので、気持ちを自制していました。
そんな中、文化祭の中夜祭で、普段目立たない彼がとっても注目されたことがありました。
周りの生徒もあいつあんなことできたんだな!とざわざわしており、私の親友もすごいかっこよかったね!と。
私はもうこれは今日しかない!と思い、彼に「告白のチャンスだと思う。今行かなければもうチャンスはない!」とメールして、彼の背中を押しました。
私が場をセッティングし、彼はその日の帰り道で、私の親友に告白しました。
結果は...残念ながらだめでした。
男の子ながら泣いている彼を、2時間ほどずっと慰めていました。
そして時は流れ卒業間際。
親友への告白が失敗した後も、彼と交友は続き、友達や先生にまで夫婦でしょ?と言われるほどでした。
本当に付き合っていなかったので、違うよ!親友だよ!と言い続けていました。
私は彼への淡い思いを持ち続けていましたが、どうせ望みはないと諦めていました。
こんなに気が合うけれど、男女ということもあり、卒業したら2人では会わなくなるだろうし、関係が薄れていくんだろうな、と寂しく思っていました。
卒業式3日前、いつもの帰り道。
方向が同じいつものメンバーで一緒に帰っていましたが、そんな中である男子が「お前ら本当に付き合ってないの?」と聞いてきて、私はすかさず「何回も言ってるじゃん!親友だよ!」と返しました。
方向的に、帰り道の最後は私と彼の2人になるのですが、その時に突然彼が泣きだしました。
「どうしたの?」と聞くと「言ったら全てが変わってしまう」と。
意味がわからずとりあえず慰めていると...
「今日『付き合ってないの?』と聞かれたとき、親友だよ!って即答されたことがショックだった。卒業したら会わなくなるのかもと考えたら、その生活には違和感しかなかった。卒業しても会い続けたい。気付いたら好きになってた。こんな情けない俺だけど、付き合ってもらえますか?」
とお辞儀しながら手を差し出され...思いがけない告白に、固まってしまいました。すると彼がまた泣きだしてしまい、慌てて彼の手をとって、「よろしくお願いします」と返事をしました。
叶わないと思っていた恋でしたが、ずっと好きでいてよかったです!
4年付き合ったあと、残念ながら別れてしまいましたが、彼のことは今でも良い思い出です。
written by うみ
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