甘くて切ない思い出

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私は過去1番好きだった人がいます。

その彼との関係は(理科の)先生と生徒。

いつ頃好きになったのかな……
あれは中学2年の夏、

私は体育でプールから上がり、タオルで体を拭いていた。

するとやけに腕が痒いなぁと思い見ると、たくさんの蚊に刺されたかのように湿疹?が出ていました。

私「わっ!なにこれ!」
「めっちゃ痒い!」
友人「えっ、どうしたのこれ!?」
「まって、足にも出てるんだけど!」

これは異常だと思い、体育の先生に言い保健室に向かった。

しかし保健室は空いておらず、どうしようと悩んでいたら、のちの片思い相手S先生がやって来た。

S先生「どうしたんだ?まだ授業だろ?」
私「じつはなんか急にこんなのが……」

腕を見せるとさっきより酷くなっていて、触ると熱も持っていた。

S先生「うわ、これは大変だ!」
「保健の先生呼んでくるから中で待ってて!」

そう促され、ソファに座ると急に震えが出て止まらなくなった。

S先生「ん、寒いか?」
私「いや、寒くはないんですけど急に……」
S先生「そっか。毛布かけときな」

そう言って先生は前から毛布を掛けてくれた。
一瞬抱きしめられたような感覚に陥って、鼓動が早くなった。

思えばこれがきっかけだったのかなぁなんて。

その後保健の先生が来て事なきを得たんだけど、そのあとも急に咳が止まらなくて涙目になってる所を見られて心配かけちゃったり、色々お見苦しい所を見られてしまった(笑)

そんなある日の事

理科の授業終わり、先生が1人で実験室の椅子を上げているのを見かけ、友人に断りを入れ手伝いに行った。

私「手伝いますよ!」
S先生「お、○○ありがとう」

誰もやってくれなくてな〜と話す先生の横顔を盗み見た笑顔に胸がギュッとなった。

そして私は『あぁ、この人が好きなんだな』と実感したんだ。

それからいくつもの月が過ぎ、バレンタインには先生が部活から出てくるのを待ち、メッセージ入りのチョコを渡し
ささやかなアピールをして来た。

穏やかな風がふく3年生の3月、卒業式。

この日に告白をしようと考えていたけど、チキンな私は口に出せず、アドレスが書いてある紙を渡した。

だけど、まぁ当たり前か、当然連絡は来ない。

だがこんな事になるだろうと思い、在校生に話をする機会があったので事前にそれに参加していた。

これがラストチャンス。

友人に背中を押され見守られ、ありったけの勇気を出しいざ、告白を!

私「あのっ、……バレンタインの時のメッセージ読んでくれました?」
S先生「うん、読んだよ」

あはは、これは気づいてないなぁ

私「えと、あれは…尊敬じゃなくて、恋愛の方の好きです!」

言えたっ、ちょっと考えたセリフと違うけど言えた!

恐る恐る顔を上げてみた驚き顔。
やっぱそういう反応だよね……

S先生「あーっと、えー···うん、ありがとう。」
「気持ちは嬉しいよ。でもね、いま君が見てる世界(視野)は狭いんだ。」
「だからね、大人になったら僕なんかよりももっといい人が居るから。だからごめんね?」

私「あっ、はい……」

うん、分かってた。分かってたけど、思ったより辛いや…。

S先生「よしっ、握手しようか!」

一瞬で気まずい雰囲気を失くす、先生のその気遣いにまた惚れ直してしまう。


そして毎年バレンタインと卒業の時期が、近づくと思い出しては切なくなる。

何年経ってもあの日、あの頃は甘酸っぱい思い出。

written by せら

エピソード投稿者

せら

女性 投稿エピ 1

実話と創作をエピソード投稿していきたいです。