友達の事を好きになってしまった。
中3で初めて同じクラスになった楓(かえで)。
透き通った声。長い黒髪ストレート。モデル体型。綺麗な二重の大きい目。成績優秀。誰もが憧れる、完璧な少女に思えた。
私はそんな彼女に一目惚れした。
それなのに、彼女は一人でいる事が多かった。
「おはよう!」
無視された。(聞こえてないのかな…)
もっと大きな声で「おはよう!!!」
「おはよう。」
可愛い…。
その後、私たちはどんどん仲良くなった。
だけど、仲良くなるに連れて、私は気づいていった。
彼女は耳が悪い…。
「楓〜!」
……。
「楓〜!!!」
「あ、ごめん聞いてなかった!」
なんて事ばっかり。聞き返されるのはまだいい方で、全く聞こえてない事だって多い。どんどん耳が悪くなって行ってる…そう感じた。
だから、今しかない…。
「楓!!!好き!!!」
二人で下校中。叫んだ。
「ごめん、なんか言った?」
笑顔でそう言われた。
聞こえているけど聞こえてないフリなのかな…。とも思ったけど、多分、彼女の耳は、何も聞こえていない。
私の目から、涙がこぼれた…。
written by ふうな@ダークドレアム
Sponsored Link