高校生のドキドキした思い出

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私が高校生の頃、木村くんという男の子がとても人気でした。女の子のような甘い顔立ちで日焼けで髪が茶髪っぽく染まってて、背も高くて笑うと犬みたいにクシャとして何より性格が穏やかで。
今思っても中身も外身も中々のイケメンだったと思います。
彼がテニス部に入部すると聞くと、彼目当てでテニスを始める女の子がいたくらい学校では人気者でした。
少しでもお近づきになりたいと思っていましたが私とはクラスが違ったので話す機会は全くなし。内気な性格だったので話しかけに行くこともなく、廊下ですれ違うときに「あ、今日もカッコイイなあ」と眺めるくらいでした。ある日、私はいつものように駅から登校していると偶然木村くんが目の前を歩いていました。背中を見ているだけでうっとりしました。すると彼のカバンについていたエレキギターの形をしたキーホルダーがポロっと落ちました。彼は気づかずスタスタ歩き続けていったので、私はそれを拾って彼を追いかけました。肩をトントンと叩いて「落ちましたよ」と勇気を出して言いました。すると彼は爽やかな顔で「ありがとう。これ友達からもらったんだ。君がいなかったら無くすところだった笑笑」と言ってくれました。そして何故かそのまま彼と学校まで歩くことが出来ました。自分の教室に入る前に名前を聞かれたので「○○ひなたです」と答えてお別れしました。その後、彼と廊下ですれ違うと彼から挨拶をしてくれたり部活前に話したりsnsの私の投稿に反応してくれたりと私にとっては嬉しいことばかりでした。私は彼が好きなんだなと思いました。しかし自分の気持ちを伝えることなく、なにか発展することもなく無事高校を卒業しました。それから3年後、偶然渋谷駅でばったり会いました。彼から声をかけてきてくれました。3年経って少し大人っぽくなっていましたが相変わらずのルックスでした。また制服の彼ではなく私服の姿だったのでそれも新鮮で、ふと高校生のときの気持ちを思い出しました。お互い時間があったのでカフェに入ってすこしお喋りをしました。今の大学の話、就職の話、友達の話などから始まり次の話題は高校の時の話に。すると彼はいきなりだまって口元を隠し始めました。私が「どうしたの?」と聞くと彼は「高校の時実は好きだったんだよね。なんかそれを今思い出しちゃって。」と言いました。私はびっくりして固まってしまいました。そしてその後に続けて「私もすきだったよ」と思わず告白してしまいました。
もし高校生のとき、告白していたら付き合ってたか知れません。そう思うとなんだかドキドキしました。私のことを好きでいてくれたことが嬉しかったです。いい青春時代を過ごしていたんだなと思いました。同時にこの人を好きで良かったなと思いました。このエピソードはきっとずっと忘れません。
木村くんには今彼女がいるらしく毎日幸せそうです。私には彼氏がいないのですが、木村くんのような穏やかな彼がいつか出来たらいいなと思います。

written by ひなた

エピソード投稿者

ひなた

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