ミッチー「そろそろ筋トレするぞー!」
3年になり昼休みにミッチーが私と翔君のランチタイムを奪いに来ます。
理由は、3年生になり翔君とクラスが別れたため、お昼は食堂で2人で食べるようになりました。
それと翔君の足がまだ完治してなくて、筋力つけるためケンちゃんとミッチーがご飯食べたらすぐ翔君を呼びに来ること。
私と翔君と2人は毎日体育館に行き、3人が筋トレするのを数える係でした。
翔君は日に日にちょっとずつ筋トレできる回数も増えていきました。
私「最後の大会までもうちょっとだねー。なんとか間に合いそう?」
ミッチー「翔は体力ねーからなー。治っても筋力と体力つけないとなー」
少しずつ練習に参加する時間を増やしながら、空いた時間は筋トレやランニングをずっと続けていました。
私は校舎の窓からがんばってる翔君を見ていました。(県大会までいけたら吹奏楽部で応援行くからね!)
大会が近づき、サッカー部のレギュラー発表がありました。
監督「翔はまだまだ体力が足りないし、フル出場できる足ではないが、秘密兵器として大事な場面で試合に出てもらう。」
監督「でも、無理だと判断したらすぐに交代させる。」
翔君は背番号をもらえたそうです。【背番号20番】
その日の帰り道で
翔君「ミナ。背番号もらえたよ。ずっと応援してくれてありがとう」と抱きしめられました。
私「よかったね・・・がんばったもんね・・・いっぱい走れるようになったもんね。」
翔君「試合にはどれだけ出れるかわからないけど、試合見に来てくれる?」
私「もちろんだよ。ガッツポーズするときに私いないと困るでしょ・・・いつでも拳出せるようにいつもいるからね!」
高校最後の大会が始まり
地方大会ももちろん応援に行きましたが、翔君の出番なく優勝してしまいました。
(ケンちゃんとミッチーそんなにうまかったの?)
県大会出場を果たし、
私たち吹奏楽部は応援に行くことになりました。
1人のときの応援とは違い演奏しながらになりました。
2回戦で優勝候補の名門と対戦になり苦戦していました。
前半が終わって2-0で負けていました。
後半に入り、翔君が出てきました。
ケンちゃんとミッチーと連携して上手に動いていました。
なんとか翔君のゴールで2点を取り返しましたが後半が終わり
同点のまま延長戦になりました。
(あと1点!翔君がんばって・・・!ハットトリックしたらあのときの約束を果たせるね!)
(そして勝って!お願い!神様!)
・・・延長戦が始まりましたが、
翔君の動きが悪くなっていて、相手のタックルで倒されることが増えました。
私は演奏なんかそっちのけで、手ぐっと握りスタンドの前まで走り出しました(翔君がんばって!がんばれ!あと1点!翔君ならきっとできる!)
「翔君!翔君ならきっとできる!信じてるから!」
手をグーにして伸ばして叫んでいました。
・・・翔君は起き上がり、右手のグーにした拳を左手でポンポンと叩きました。
(がんばって!)
翔君は何度も相手のタックルに倒れそうになりながら
翔君も皆も必死でしたが、奮闘空しく相手にゴールされてしまい負けてしまいました。
試合に負けて、翔君は泣きながらスタンドに戻り、私も泣いていました。
帰り道の夕方、駅から降りて2人でゆっくり歩いて帰りました。
何を話して良いのかわからず、ずっと無言のままでした。
翔君「・・・応援ありがとね!約束は守れなかった・・・ミナの拳と声が聞こえて、絶対勝ちたいと思ったんだけど。」
翔君「・・・届かなかった・・・ごめんね。」
私「・・・ううん。よくがんばったね。」
私「翔君のがんばってたところちゃんと私に届いたよ。・・・翔君にも私の応援ちゃんと届いてたよ・・・ありがとう・・・」
私「諦めずにがんばったね。おつかれさま。」
2人で顔を真っ赤にして泣きながら、小さく拳を合わせました。
(翔君・・・約束より気持ちがいっぱい伝わったよ。)
written by mimi
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