キレ告白と泣き告白 その2

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学校中で先輩の弟が突然のキレ告白をしたという噂が広まりました・・・

と同時に先輩と弟が仲悪いことを知りました。
仲悪いことは周りのみんな知っていたようで、私だけ知りませんでした。

それからしばらく返事もできないまま、注目されて恥ずかしい毎日が続きました。
ある日、学校の帰りに校門に先輩と彼女がいて私は呼び止められました。

先輩の彼女「翔君(弟)は不器用で真面目だけど、素敵なところあるんだからちゃんと見てあげて」
先輩「嫌だったらハッキリ言っていいからね」
と言われました。


それから、弟君にちゃんと返事しようと思い、放課後に弟君に話しました。
「翔君あのね・・・私なんて言っていいのかわからなくて・・・」
そしたら話を遮るように
「ごめんな。あんな告り方で、とりあえず今は俺のこと忘れてほしい・・・」
「兄貴が卒業して、俺らが2年になって、俺のこと見てくれるようになったらまたちゃんと告白します。」

そういって帰っていきました。


それから2年生になり、
翔君とまたクラスが一緒でした

2年生になってから、普通に話するだけの関係が続いていて
先輩のことも忘れるようになっていました。

1学期の期末テストの後にあるクラス対抗の球技大会で
翔君がサッカーに出ると言い出しました。

(翔君サッカーできるの?そういえば見たことなかったな・・・応援しに行ってみよっかな。)

サッカー部のクラスメイトが「翔が出てくれるならいけるんじゃね!?」と盛り上がっていました。
「でも動けるのか?」
「大丈夫。球技大会ならそんなに激しくないだろ?軽めに動くようにするから安心して。」

クラス対抗の球技大会は「競技の部活に入っている人は2人まで出場できる」というルールで
翔君は部活に入っていないので3人のサッカー経験者で出れるのは有利だと騒いでいました。


球技大会がはじまり、翔君のサッカーを見に行きました。
翔君はゼッケン10番をつけていました。(嫌そうにしながら笑)

試合が始まり、翔君は後ろのほうでディフェンスをしていました。(10番のくせに!って思ってました笑)
相手の攻撃をパッと止めては、サッカー部のクラスメイトにパスするだけでした。
ずっと上手に守ってて順調に勝っていき、決勝戦まできました。

決勝までくると、学校中の生徒が集まってて、サッカー部の先輩たちも見ていました。
「橘先輩の弟がサッカーするって初めて見るな」
「橘先輩と弟が少年サッカーの頃知ってる?」
「すごかったぞー2人で点取りまくりだったよ!」
そんな話を聞き、私の知らない翔君だなーと聞き耳立ててました。

決勝戦の相手はサッカー部のゴールキーパーで全部のシュートを簡単に止めていました。
翔君は相変わらず攻撃にはあまり参加せず、ディフェンスばかりしていました。(つまんないなーと思っていました)

0-0のまま後半になり、突然翔君が「俺にボール貸せ!」って叫びました。
チームメイトが慌てて翔君にパスして、翔君がまた叫びました。

「ケン!ミッチー!こっから攻めるぞ!いくぞ!」って言い出し、皆が「おぉー!」ってなりました!
翔君が吠えた!
私までドキドキしてきました。

翔君がドリブルでどんどん相手を交わしてケン君やミッチーとパスしながらどんどんゴールまで近づいていき
翔君がシュートしてあっという間にゴールしました。

その翔君の姿がかっこよくてドキドキが止まらなくなりました。
その後もどんどん攻めて、またゴールしました!
私はもう興奮状態でした。

もう1点取ったらハットトリックだと思いながら見ていると
相手のボールをサッと奪い、あっと言う間にまたシュートが決まりました
ハットトリックだー!と私はメチャクチャ盛り上がっていました。

先輩のハットトリックよりかっこよくて、
「先輩よりかっこいいかも・・・翔君もさわやかでサッカーできるんだ・・・」と思うと
今までの先輩や翔君との出来事が全部蘇ってきて、胸が苦しくなりました。

その後の翔君はまた攻めずに守りながらゆっくりしてました。
結局そのまま優勝までしました。

試合が終わったあと、教室でみんな祝勝会で盛り上がっていました。
翔君のところに行き、
私「優勝おめでとう!サッカーうまかったんだね!知らなかったよ。」
私「なんでサッカーうまいのにサッカー部入らないのよ。もったいないじゃん。」
翔君「まぁね。ホントはやりたいけど、足が悪くて本気のサッカーできないんだよ。
球技大会くらいだったら初心者相手だし短い試合時間だからできたんだけどね。
ケンとミッチーが同じクラスだからまた少しくらいサッカーできるかなと思って出てみた。
それよりかっこよかった??」

・・・そんなケガのこと知らなかった。

「翔君!かっこよかった!ケガのこと全然知らなかった・・・ごめんね。」
「先輩よりかっこよかったよ・・・・!翔君のほうがかっこいいよ・・・・」
「今まで翔君のこと見てなくて先輩のことばかりだった・・・今頃翔君のことが好きになってる・・・翔君のこと応援したい!」
いつのまにか泣いていた私は、「泣き告白」をしていました。
(また皆のいる前で・・・・笑)

そして付き合い始めました。

その後、サッカー部の先輩やケン君やミッチーから猛烈スカウトされて翔君はマネージャーとしてサッカー部に入りました。
たまにサッカーをプレイしていました。(軽くだけどね)
私はそんな翔君を校舎の窓から応援しながら見守っていました。


後日談
※翔君の兄弟仲は本当に悪かったそうで、翔君の足のケガがあるのに
先輩が「気合で治してサッカーしろ!」と言い続けていたそうで喧嘩ばかりしてたそうです。

written by mimi

エピソード投稿者

mimi

秘密 投稿エピ 4