秋刀魚が美味しく感じる季節。
香り立つ金木犀にうっとり。
文化祭がやってきた。
何故か私は学校のミスコンテストに出ることになった。頼まれたら出なきゃだよね…
人前に出るのが大の苦手なわたし。
舞台袖で足がガクブルです。
(( 落ち着け〜わたし…所詮ジャガイモたちだ、、))
※緊張したら観客席にいる人は皆ジャガイモだと思い込む作戦実践中。
そんなとき、
「てば!…次がんばってね」
先生が舞台袖に来てくれた。
顔を見ただけで安心するけど、
こんな露出したドレス姿先生に見られてる。
そう思って急に恥ずかしくなって俯いた。
「照れんなって〜。てばが一番可愛いよ。やったるわくらいの気持ちでいきなさい。」
「…わかった」
((サラッとそんなこと言えちゃうし、誰にでも言ってるのかな。))
なんて勝手にちょっと嫉妬した。
…でも、それが良かったみたい。
わたしは、何故か急にスイッチが入って
「…じゃあ、先生のこと考えながらステージ歩くね」
「てば…」
わたしは先生の次の言葉を聞く前にステージに立った。
音楽が鳴る。リズムに合わせてヒールを鳴らす。一番前のミニステージまで歩いてゆっくりとターンをして微笑む。
花道に笑顔で手を振りながら、最後に一言言わなきゃならない。
((…なんも考えてないや。。))
とりあえず今の私の頭の中にあるのは先生を思いながらステージを歩くと言ってしまったこと。
センターステージに来てしまった。
ゆっくりと観客席に振り返って、両手でマイクを握りしめる。
「「…すきだよ?」」
咄嗟にでてきた言葉だった。
観客席からは指笛だったり友達が興奮しがちに私の名前を叫んで手を振っている。
一瞬何が起こったかわからなくて、一礼してそそくさと舞台袖に走った。
すると、そこには先生が居て
「…やられた」
そう言って頭を抱えてる。
私はさっきの出来事をゆっくり振り返る…
待って、わたしすごいこと言ってるじゃん。。
急に恥ずかしくなって顔が熱い。
すると先生が耳元で、
「本当に 俺のこと?」
そう言って口角を少しあげた。
先生の余裕な、挑発的な顔をみて悔しくて。
なぜか
「どうでしょうね?」
と、耳打ち仕返した。
「…おれは、、、」
次にくる言葉を聞くのが怖くて、先生の唇にわたしの人差し指を当てた。
「次の人出てるからお静かに。」
「かわいい。」
確か先生は、そう小さく呟いていた。
written by てば
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自分の過去の恋愛の話。