これは今から中学2年生の時の話です。私は当時、クラスに馴染めず仲良い友達とはクラスが別になり、毎日掃除が終わってからの長い昼休み時間に、廊下で友達を待っていました。
ある日、一人の男の同級生が私に話しかけてくるのです。「毎日待ってるよね?待ってる間で良いから話しよう」と。それから毎日、毎日、その男の子は、その友達を待ってる時間だけ私の所に来て他愛の無い話をして去って行きました。
その内、彼の友達が私のクラスに居たので私も彼と、彼の友達を通してクラスに馴染んで行きました。
その後も、相変わらず彼は、待ち時間の時だけ私の所に来てくれました。私は、その内、友達では無く彼が来るのを待つようになりました。来ない日は凄く落ち込みました。
日は流れ、バレンタインが近づいたある日、彼は、突然、「バレンタイン頂戴!」と言いました。私は、恥ずかしくて「気が向いたらね!」と言いつつも、バレンタイン当日はチョコを用意してました。でも、その日、廊下で待ってても彼は、来てくれず、自分で渡しに行く勇気もなく、彼の友達に渡してくれるようお願いしました。
翌日、彼は廊下で、「ありがとね」と言い、次の日から彼が廊下に来る事はありませんでした。
何故、彼が私の所にずっと通ってくれてたのか、チョコを頂戴と言ったのか、数年経っても真相は分からないままです。からかってたのかも知れません。でも、彼が毎日廊下に来てくれたおかげで私はクラスに馴染めたし、毎日が楽しみになりました。彼にはとても感謝してます。
叶わない恋でしたが、とても楽しい恋でした。
written by 月
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