17年越しの真相

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これは私と彼、お互いに最初で最後の大恋愛のお話です。17年越しに真相を知り、実はまだ心が動揺しています。

中学校から転入した私は、当時の学校の力関係(カースト制度?)を知らないまま過ごしていました。
もともと、正義感が強い方で曲がった事は大嫌いだったので、誰かに媚びるタイプでもありませんでした。

中学校3年のクラス替え。
私の前の席になった男の子は、所謂学校一のヤンキー、権力者でした。周りの子たちはこれまでを知っているので、無駄に彼に話しかけたりすることもなく、ビクビクしているようでもありました。

ですが、私はこれまでの彼を知らないので、授業中うるさい時はうるさいと言い、とにかく言いたい事があれば、ハッキリと彼に伝えていました。

彼はそれがとにかくビックリしたそうです。
「この俺に怖がらずにこんなに言ってくるなんてどんな奴だ?」と、興味を持ち始めてくれたきっかけにもなったそうです。

その後、彼を知れば知るほど本当はとても心が温かい人なんだということに気がつき、好きになっていく気持ちを止めることはできませんでした。
それは嬉しいことに彼も同じで、、、。
気がつけば2人とも恋に落ちていました。

当時は携帯なんてないので、お互いの家に電話をして告白したものでした。

彼と過ごす日々はとても楽しく、少し刺激的で、初めての恋愛にすっかり夢中になっていました。

しかし、ヤンキー兼権力者×生徒会までやる真面目な生徒の恋には、なかなか良い顔もしない人もいました。
先生たちには反対され、後から知ったことですが私の親もわざわざ呼び出されていたそうです。

彼と私はもともといる場所が違う。
お互い全く別の道を進もうとしていて、たまたまクロスして重なってしまったのが今。
だから、今だけなんです、お母さん。となんだか説得されたようです。(笑)

そんなことを知らない私たちは、本当に平和で、中学生なのにペアリングをはめたりして、お互いに夢中でした。

中学校卒業と同時に海外へ行くことが決まっていた彼。
私はもちろん、この関係が続くと思っていました。
彼を待つつもりでもいました。

なので、彼からいきなりペアリングを渡されて別れを告げられた時には何が何だかんだ分かりませんでした。
深妙な面持ちで、「話がある」と言われ、嫌な予感がした私は必死で校舎内を逃げ回っていたそうです。

そして、学校中で噂が流れました。
彼は本当は私の友人が好きで、別れた後に彼女に告白をしたと。私は彼女の代わりとして付き合っていただけだと。

もう、何も信じられなくなりました。
大好きだった彼が、実は私を好きではなかった。身代わりだった。。幸せだと思っていた時間は全て嘘だったのだと、ただただ泣いていました。

その後彼とは一言も話さず、目も合わせてくれない日々が続き、心が折れそうになっていた時に支えてくれたのは彼の親友でした。

そしてそのままの流れで、彼の親友と付き合うことになり、卒業を迎えました。
心のどこかにしこりを残して、、、


高校生になり、色々な事情から彼の親友とも直ぐにお別れをしました。
そんなタイミングで、海外にいる彼から何度も国際電話がかかってきました。
「元気にしてるか?」「実は一年前のこの日に付き合ったんだよな」などなど、平然と話しかけてきます。
しこりの残っていた私は全て冷たい態度で電話を切っていました。居留守を使うこともありました。
なぜ今そんなに連絡をしてくるのか分からなかったからです。

次に彼に再会したのは成人式の時。
夜の二次会で、彼の隣の席しか空いておらず、、思い切って隣に座ってみると彼から話しかけてくれました。
あの時からずっと構えていた私は、ホッとしたと同時に、あの頃に戻ったようで嬉しくはしゃいでいました。
彼の奥さんが迎えにくるまでは、、。

子供ができ、結婚をすることになったということを聞き、なんだか心からおめでとうは言えませんでした。
笑顔でお別れするのが精一杯でした。

彼が今幸せなら。
私もこれからきっと幸せなれる。
そう自分に言い聞かせました。

その時から一切連絡をとることもなく、ある気持ちに蓋をしたまま大人になっていきました。

私がずっと彼に聞きたかった
「私のこと好きだった?」
という質問が出来たのは、実は中学校の別れから17年経ってからでした。

つづく。

written by ocean

エピソード投稿者

ocean

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