高校1年生の時、私は吹奏楽部でフルートを吹いていました。部活にはとても真剣に打ち込むのが好きで、部内恋愛など全く考えたことがないタイプでした。
同じ部活の中でパーカッション(太鼓や木琴、鉄琴のような楽器を使う人達)に、高校2年生の男の先輩がいました。一見イケメンサッカー部のような見た目ですが、運動はあんまりです。
吹奏楽部といえば、夏に行われるコンクール。コンクールには様々な部門があり、大人数で出場するものから、少人数で出場するものまで様々です。
私の学校の吹奏楽部では、2.3年生の先輩達が大人数の部門に、1年生が少人数の部門に出ることになったのですが、少人数の部門に、まとめ役として2年生が1人だけ1年生達の中に入ることになり、それがそのパーカッションの男の先輩でした。
私は1年生の中のリーダーだったので、2年生のまとめ役の男の先輩と、私はお互いに連絡をとったり話し込んだり、距離がぐっと近くなりました。
夏のコンクール前の合宿で、お互いのプライベートな話をしたり、恋バナをしたりと、どんどん仲良くなっていきました。
たくさん練習して挑んだコンクール。
代表者2人が結果発表と表彰式に出ます。
私と男の先輩の2人で、結果がわからないままどきどきしながら舞台裏でその時を待っていました。
「ここまで来れたのは、先輩がたくさん色んなことを考えてくださって、本当はきっと他の2.3年生と一緒に大人数のコンクールに出たかっただろうと思うのに、私達を全力で引っ張ってくださったからだと思います…!」
と私が言うと、
「お互い二人三脚で引っ張ってきたもんね。ありがと、俺お前のこと尊敬してるよ、」と言って、優しくふっと笑いました。
舞台から漏れる光が、先輩のやさしげな顔を照らして、私はその瞬間恋をしました。
結果は見事、金賞でした。
帰りの電車。スマホをふと見ると、先輩からLINEが。
『俺は後輩としてじゃなくて、人として、1人の女の子として、お前が好きだ。
今日で、2人で頑張ってきた、2人で楽しく話した、距離が近かった関係が終わると思ったら、そんなの嫌だと思った』
嬉しすぎて、電車の中なのに顔が真っ赤になって、涙が溢れました。
今、私は大学1年生ですが、あれから3年弱、今でも先輩は、私の自慢の彼氏です。
written by sssss
Sponsored Link
東京に住む女子大1年生です!