友達だったはずのアイツ

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高校1年生冬。その夜、当時付き合っていた他校の彼氏に振られてしまいました。
その時ショックで号泣していた私は、同じクラスの席が自分の一つ前の仲の良かった男友達に電話をかけました。
彼は、明るくて優しい男の子なのですが、あまり女の子と話すタイプの男子ではなく、クラスの男子同士では馬鹿ばかりやって笑っていますが、一部の女子からは怖がられていました。
そんな彼は、席が後ろの私に授業中よくちょっかいを出したり、「授業ノートうつしきれてないから借りるわー。」と私に対しては自分勝手な事ばかり。席替えする前の初めの頃はとても仲が良いとは言いがたい関係でした。
電話越しに号泣する私に「なにがあったのか分かんねえよー、落ち着け落ち着け」と、優しいのかめんどくさがってるのか分からないような反応です…。次第に落ち着いてきた私は、「振られちゃったのー泣」と事を説明。すると彼は、「あんなに前の席の俺に惚気をかましてきたのになー?」と、案の定冷たい。
その後も、私が壊れたように全部を吐き出すと、「それで全部か?大丈夫か?もう夜中だけど、寝れそーか?」と、彼らしくない優しい言葉をかけてくれたのです。気づけば彼との電話で日付も変わってしまい、彼の言うとおり真夜中と言える時間帯でした。
すっかり元気の無くなってしまった様子の私を、電話越しでも察してしまったのか、「今日はしょーがない。寝るまで話ってやっから泣くなよ」と、ひとこと。もう恋愛なんか。と思いかけていた私の心を、どうでもいい男友達だったアイツが動かしてしまったのです…。
切ないはずなのに心はドキドキしていて、その日からアイツは、目の離せない存在に変わってしまいました。

written by なみ

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なみ

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