私が高校生の時、男子バスケ部の顧問の先生のことが好きでした。
その先生は、優しくて、カッコよくて、背が高くて、バスケが上手くて、頭もいい、本当に完璧な先生で、私の学校で先生の顔と名前を知らない女子生徒はいない、ってくらいモテモテで大人気の先生でした。
そんな先生を好きになってしまい、付き合えるとう望みもなく、他の子と話しているのを見て切なくなる日々を送っていました。
幸いなことに、私は女子バスケ部だったので、何かと話をしたり、一緒にバスケをしたり、テスト期間には質問に行ったりしていました。
そのまま月日は流れ、高校3年の夏、部活を引退するときに先生に告白しました。
すると先生は「付き合おう」と言ってくれました。
しかし、生徒と教師。
世間一般的には許される関係ではありませんでした。そこで私達は二人で考え、私が高校を卒業したら正式に付き合う、ということにしました。
私は、部活を引退したことで先生との接点が無くなることに対してとても不安でした。
しかし、無力な高校生に出来ることなんてあるはずもなく、私以外の女子生徒と話しているの見ては、私といるよりも楽しそう、と勝手に判断し、自ら先生との接点を減らしていきました。案の定、先生と会うことすらほぼなくなりました。
そんな時、先生から電話がかかってきて、今の先生の想い、そして私の想いを聞いてくれました。
それから毎週金曜日22:00から始まる先生との電話が私の受験生生活を支えてくれました。
たった1時間でしたが、私にとっては本当にかけがえのない、愛されてると自信を持てる大切な時間でした。
そしてとうとう卒業の日、卒業式を終えて家に帰ると、その夜、先生から“卒業おめでとう”と連絡がありました。
私が大学に合格するまで連絡は取らないと二人で決めていたので、“ありがとうございます“とだけ返事をして、そのまま置いていました。
そして第1志望の大学の合格発表の日。
私は合格していました。
そのことを先生に連絡すると、今から迎えに行く、とのこと。
そして二人で向かった先は、先日卒業した私の母校でした。
その日は春休みだったため、運動部の生徒以外おらず、校舎はとても静かでした。
二人でたわいもない話をしていたら先生がふと真面目な顔になって、何かと思っていたら、
「今日からは生徒としてではなく、彼女として僕の隣にいて欲しい。」
と言ってくれました。
そんな先生と私は2年前に結婚し、再来月、第1子となる男の子が産まれる予定です。
今、先生に恋をしている人が少しでも勇気を持って貰えたらいいなと思って、書きました。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
written by 侑季
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