____外はすっかり寒くなって、言葉が白く表れる季節。セーターの袖を擦り合わせて温める。
今日もまた廊下の窓辺にて、先生と雑談中。
本当に他愛ない会話。
それでも一緒にいる時間が嬉しくて、楽しくて自然に笑うことができた。
その時間の他にも、ワーク提出のときに先生にメッセージを書くと必ず返ってくる。たまにそのメッセージの隣に押されているおかしなスタンプさえも愛おしかった。
____実験室での授業。
いつも通り早く授業が終わって、本当に何もすることがなかったらしく、終わってから休み時間となった。
わたしは、皆が移動してから先生がこもっている理科準備室に静かに入った。
「せんせ」
「ん〜?」
声を掛けたのに、先生はまだ私に背中を向けている。寂しくて、
先生にゆっくり静かに近ずいてぎゅっと抱きしめた。
先生はゆっくりほんの一瞬だけ私の方をみた。目を大きく開いてた。
「寒いから」
私はそんなちっちゃな嘘をついて、力を強めた。離したくない。
先生はふっと笑って、
「そっか」と一言。
私は冷静な先生をみて恥ずかしくなってゆっくり離れた。
と、同時に先生はドアの方へ行った。
どこかへ行っちゃうのかなぁなんて考えてたら、先生は鍵を閉めた。
ちょっとびっくりして、自分の鼓動が急に速くなるのを感じた。
「…なんで閉めたの?」
「誰にも入ってきてほしくないから、かな?」
written by てば
Sponsored Link
自分の過去の恋愛の話。