2話 あなたがずっと好きでした。

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____風が肌寒く感じる季節になった。
私は、ものすごい運動音痴。ソフトボール部に所属していました。先生はバスケ部の顧問。

部活動の朝練で、30分間走るトレーニング。
朝イチで超きつい…走ることは一番苦手。
部内でも一番足遅かった…( 笑 )

それでも必死に頑張っていたら、
先生がと同じペースで走ってきた。
(運動部はみんな朝練に出なきゃいけないので)

「なんでいんのよ…」
「俺だって走りたくねぇよ…」

そんなとき、わたしは思いっきり
段差につまずきました。((あぁ、転ぶ…))って
思った瞬間。

先生が私の左腕を咄嗟に掴んでくれた。

「っ!危な!ほんとに危なっかしいな( 笑 )」
すごい爆笑してるし。

「絶対バカにしてる」
「してねぇよ…( 笑 )」
「だ〜!まだ笑ってるし!!」
「ごめんごめん( 笑 )あと少し頑張ろう」

____無事に朝練も終わり、授業へ。

最初に書いたけど、先生は理科の先生。
授業はまぁ〜適当。50分ある中で15分くらいしかまともに授業しない。(今思うとやばい笑)

チャイムが鳴って席に着く。

この間席替えをしたばかりで窓側の一番前の席。
いつも通り授業がはじまって15分後。

先生は窓側の壁に寄っかかってる。

「…え?もう授業おわりなの?」
「うん。今日やるとこ終わったし」
「授業日数足りるの?このペースで」
「うん。足りるよ。誰かさんみたいに
危なっかしくないからね」
「…うるさい( 笑 )」
「昼休みさ」
「ん?」
「昼休み、俺の好きな曲流してもらうんだ」
「へぇ〜よかったじゃん」
「あ、絶対興味無いだろ?」
「ごめん( 笑 )」
「いーからちゃんと聴いとけよ?」

____昼休み。今週は、先生方の好きな曲を流す週らしい。先生の言う通り、ちゃんと聴いてた。

イントロが流れた瞬間。

…こんなことあるんだって思った。

私が大好きな曲。その当時好きだった三代目JSBの"Powder Snow~永遠に終わらない冬~"



" 泣きたいくらい 僕がキミを
好きになれば なるほど 何故だろう
キミは悲しそうだから
逢いたくても 逢いたいって
言えなくなってしまう
儚く 降り積もる Powder Snow

~初めてあった時から キミのことが好きでした
他の人じゃない キミだけが 好きで
なんでもない顔をして 笑っているけど
僕だけに降るPowder Snow 切ないよ "



涙が出そうになって、必死に下唇を噛み締めた。
先生のこと、気づいてたら好きになってた。
そんな時に聞き始めた曲だった。

元々三代目が好きって話はしてた。
でもまさか、数ある曲の中で好きな曲が同じなんて。嬉しくて嬉しくてたまらなかった。


____部活が終わってすっかり空も暗くなった。
靴箱に先生が居た。

「お疲れ様です。昼休みちゃんと聴いてました」
「お疲れ。あの曲いいよね…好きなんだ」
「あの曲、私も大好きです。
先生なんで知ってるのって思いましたよ(笑)」
「すごいだろ。」
「外真っ暗ですね」
「うん、危ないから早く帰りなよ?」
「…やだ」
「え…?」
「帰りたくない…もっと一緒に居たい、、です」

____先生は目を丸くしてこちらを見てる。

「…ばーか( 笑 )明日も会えるじゃん!( 笑 )
だから今日は早く帰りなさい」


____その日は大人しく帰りました。

ベッドに倒れ込んで足をジタバタ。
(( あぁ、言っちゃった。何言ってんのわたし…))
すごい恥ずかしいし、先生の顔が頭から離れない。

written by てば

エピソード投稿者

てば

女性 投稿エピ 7

自分の過去の恋愛の話。