私が大学で武道系の部活をやっていたころの話です。
一つ下の後輩とは仲が良く、毎日他愛のないメールやLINEのやり取りをしていました。
私の両親の仲が悪かった時も、後輩に話を聞いてもらっていました。後輩は、ありきたりな慰めの言葉をかけるのではなく、「俺、経験ないから何も言えないや、ごめんね」と素直に言ってくれました。その言葉が、逆にとても嬉しかったです。
私が大学4年生の冬、後輩と二人で飲みに行きました。とても仲が良かったので、朝まで飲もうと話していました。しかし、電車がなくなったころ二人とも疲れてしまい、漫画喫茶に入りました。
私は漫画を読んでる途中で眠くなり、仰向けで目を瞑っていると、後輩が髪の毛を撫でてきました。そして、私の目を手で隠しながら、耳元で「許してください」と囁きました。何のことかと思っていたら、次の瞬間キスをしてきました。
びっくりしましたが、私はそれを受け入れていました。
その日はそのまま帰りましたが、その後、その後輩とは連絡が取れなくなりました。部活も引退した時期だったので、会えなくなりました。そして、会えなくなってから気づきました。私は後輩のことが好きでした。一生近くにいてほしいと思っていたからこそ、付き合いたいとは思っていませんでした。別れがくることが嫌だったからです。
もう会うこともないでしょうが、後輩の幸せを願っています。
written by たろすけ
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