忘れられない片想い

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高校3年の時のことです。
今までとくに何とも思ってなかった同級生の男の子を好きになりました。
背が高く、みんなに優しくて、特に後輩の女の子達に人気のある人でした。
クラスは離れていましたが、時々連絡を取り合う仲で、メールでふと好きな人の話になりました。
もしかしてこのまま告白されちゃう⁈なんて勝手に思い上がってメールをしていたら、なんと私のクラスにいる子が好きなんだけど、どうしたらいいかな?と相談されてしまったのです。
その時はすごくショックで、落ち込みましたが、もしかしてこのまま相談にのってたら漫画みたいに付き合えたりするかな⁈と下心から彼の良き相談相手になることにしました。
今日はどうだった?など、時々連絡を取り合っていると、しばらくして、「今日告白したけど、今は誰とも付き合う気はないと断られた」と...。
彼には悪いですか、やはり内心は少し喜んでしまいました...。

その後も廊下で会えば話をしたり、夏には友達を誘って男女4人で花火大会を見に行きました。
思えばこの頃にはもう、私の気持ちに彼は気づいていたのかもしれません。
それから少しして、私は彼に告白しました。
呼び出したものの、"好き"の二文字がなかなかでなくて10分くらいはかかったかな?それでも彼は「大丈夫だよ。落ち着いて、どうしたの?」と優しく声をかけてくれました。
やっとの思いで伝えると、彼の答えは少し考えさせてほしい、というものでした。
返事をされたのはその四日後。
その間はドキドキしすぎて食事もあまり喉を通らず、母にも心配されるほどでした。
人間って、悩んでる時はほんとに食欲なくなるんだなと初めて感じた出来事でした。(笑)

彼の返事はNOでした。
「君といると楽しいけど、付き合うとかじゃなくて、友達のままがいい」と言われてしまいました。
初めて直接告白し、返事をしてもらった相手。
その場は笑顔でバイバイしましたが、その後教室に帰り待ってくれていた友達の前でわんわん泣きました。

その後も彼は私と変わらず接してくれましたが、私はほんの少しぎこちなかったように思えます。
連絡を取ることもかなり減りました。
そうしているとそのうち、彼が後輩の女の子と付き合っているとの情報が耳に入りました。
その子と一緒にいることはあまり見たことがなかったし、思ってもいない事でしたが、やっぱり私は何かが足りなかったんだろうなとまた少し落ち込みつつ、それでも彼への気持ちは完全になくなることはありませんでした。

完全に自分の自己満足でバレンタインにもチョコを渡してしまいました。気持ちも抑えきれず、「応えてくれなくていいけど、まだ好きだよ」と伝えてしまいました。
彼は少し困った笑顔でありがとうと受け取ってくれ、ホワイトデーにもきちんとお返しをくれました。

そしてついに卒業の日。
その頃には彼は後輩の彼女とは別れていました。
私はなんとなく、卒業後にはもう会うことはないんだろうなと思っていました。
だけどこの恋を何もなかった事にしたくなくて、何か形が欲しくて、卒業式後の人もまばらになった時、彼に第二ボタンが欲しいと伝えました。
その時ふと彼の制服を見ると、ボタンが一つもありませんでした。きっと後輩の子達にあげたのでしょう。私は一足遅かった...と下を向きました。
すると彼が言ったんです。
「はい、とっといたよ」

え...?と思いながら顔をあげると、彼の手のひらにはボタンが。
「なんとなく、このボタンはとっといたんだ。...卒業しても、元気でね」
そう言って、私にボタンをくれました。
その瞬間、あぁ、この人を好きになってよかった。もうこの恋に悔いはない。と、私の心はとても穏やかになりました。

その後、彼は遠くの県に行ってしまって、同窓会に一度も参加することがなく、あれから10年経った今一度も会っていません。彼はSNSもやっていないので、近況すらわかりません。
今は私も結婚して子供もいます。
しかし春になるといつも彼の事を思い出し、今頃何してるのかな、と思いを馳せています。
彼は私の青春で、全力で恋した人でした。

written by nana

エピソード投稿者

nana

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