頼りないと思っていた彼

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私の彼は同い年ですが、お化けが怖い、虫に触れない、絶叫マシンに乗れない、ご飯屋さんで注文する時に優柔不断などと少し頼りないです。

大学4年生の3月、サークルのみんなで旅行を企画して京都へ行きました。4年生の私は卒業旅行となるのですごく楽しみにしていました。

しかし旅行1日目、同じ車に乗っていた後輩女子の心無い言動で酷く傷付くという事がありました。
私は普段から怒るようなタイプではなく、嫌なことをされたりや嫌なことを言われたりしても笑ってすごすタイプです。
ですがそんな私でも激しい怒りと悲しみが生まれるほどひどく、私は車内で黙り込んでしまいました。

旅館に着いてサークルのみんなで夕食を食べている時、その後輩女子が「〇〇先輩(私)に無視された〜怒られた〜」となぜか事実でないことをみんなに言いふらし、被害者ぶって泣き始め、反論する間もないまま私は悪者扱いされてしまいました。
それで居場所が無くなった私は旅館を飛び出し、夜の京都の街を泣きながらフラフラさまよいました。
濡れ衣を着せられ大好きだったサークルに居づらくなってしまったこと、とても楽しみにしていた卒業旅行を最後まで楽しめなくなってしまったこと、4年生というみんなをまとめる立場なのに旅行を放棄した自分が無責任で情けないことなどを考えると悲しくて涙が止まりませんでした。
また、泊まっていた旅館の周囲には怖い人がちらほらおり、恐怖が加わりました。

そして、耐えきれなくなり彼に電話しました。
その時はなぜ泣いているのか言うことができないくらい号泣しており、「つらい」「怖い」とだけしか伝えることができませんでた。
それなのに彼は「今から行くから安全なところで待ってて」と言って、家から特急に乗って2時間かけて駆けつけてくれました。
夜遅かったので、合流した後は近くの安いホテルをとってくれて話を聞いてくれて、泣き続ける私を慰めてくれました。
4年生なのに旅館に戻らないのは無責任だと思っていましたが、どうしても戻る気にはなれませんでした。
その時に彼は「責任とかよりも、大事なのは今の気持ち。つらいなら無理して戻らなくていいんだよ」と言ってくれました。
次の日、結局旅館には帰らず、お土産を買って2人で帰りました。

彼のことを今まで頼りないと思っていました。しかし、辛い時に遠くから駆けつけてくれて、私の気持ちに寄り添ってくれた彼はとても頼もしいと思いました。そして、この人とはこの先もずっと信頼して付き合っていけると感じ、もっと好きになりました。
最悪な卒業旅行でしたが、彼との思い出としてはいい旅行となりました。
(その後、サークルのみんなの誤解は解けて今では仲良くしています)

written by たちばな

エピソード投稿者

たちばな

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