私は今まで交際が長続きする事はありませんでした。二股をかけられたり、相手の嫌な所ばかり見つけてしまって、指摘すると別れを告げられたりと、嫌な事を嫌と言ってしまう性格が仇になっていました。
恋愛に疲れて仕事に専念する日々でしたが、仕事でも躓いてしまい、職場の先輩に色々な事を教わっていました。その先輩が、今の彼です。
雑談を挟んでいるうちに、お互い食の趣向が似ていて、食事に行く事になりました。私は少しの期待もありましたが、この人は私では釣り合わないだろうと、ただの先輩後輩としてその日は向かいました。
この時は特に意識とかはしてなかったのですが、
買い物をしている時、人が後ろから来ていた際には「危ないよ」といって優しく手を引いてくれたり、歩き疲れたな、と思っていたらカフェに入ろうかと気がついて休ませてくれたりと、色々と気遣ってくれました。今思えば彼なりのアピールだったのかも、と思っています。
夜、私の行きつけのお店に行ってみたいと言われ、急遽お店の方に電話して予約しようとした時、彼が電話をするといいました。その時彼はお店の人から電話番号を聞かれてスラスラと自分の番号を言っていて、店員さんにもう一度お願いしますと言われたのか、もう一度電話番号を伝えていました。私は昔アルバイトで電話対応をしていた為、店員さんの気持ちを考えた時に可哀想だと思って彼に「電話番号を伝える時はゆっくり言ってあげた方が向こうの人はもう一度聞かなくて済むし、助かると思いますよ。」と言ってしまいました。仮にも先輩であり、上司なので、言った瞬間やってしまった、と深く後悔しました。
何か言われると思って思わず目線を下にしていると「そうだよね。言ってもらえてよかった。ありがとう。」と、笑顔で言われ、不覚にもきゅんときてしまいました。
予約時間まで余裕があったので近くのバーで飲むことにしました。あまりお酒を飲まず話をしていると、恋愛の話になり、彼に気になる人がいると告げられました。この時、少しの期待でよかったと、相談に乗ろうとしたら、彼は私に「好きです付き合ってください」と申し出てきました。言われた直後は本当に動揺しかなく、思わずお願いしますと返しました。
予約時間になり居酒屋で飲んで飲んで酔った私は彼に過去にあった恋愛体験を包み隠さず話し、それでも彼は良いと言ってくれました。「嫌なこととかダメなところとかお互い言える関係なら尚更いいんじゃない?」と、優しく言ってくれた事が忘れられません。今でも彼とはお付き合いさせていただいています。
written by 蒼雨
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お国守ってます