隣の席の男の子。

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当時高校一年生だった私は、勉強が苦手な男勝りなおふざけキャラでした。

出席番号順で隣の席の男の子のことを
密かにカッコいいな、と思っていても

口にも態度にも表せず、からかって、からかわれてばかりでした。

そして彼には2年付き合っている彼女が居たこともあり、
私自身「付き合いたい」とは思っていませんでした。

ただ、彼らの喧嘩は少々派手で、
よくTwitterで言い合ってる(一方的に彼が怒られ、彼女をなだめている)姿を見ては、

「こんな彼氏持ったら幸せやろな」くらいに思ってました。

勉強が苦手な私のために、テストの時は答案を見せてくれたり、
バレンタインのチョコや
友達の誕生日で大量に作ったお菓子を
持ってきた時はすっ飛んで来て、
「お前まじで料理うまいな」と言いながら
バクバク食べ「食べ過ぎ!」と私に怒られたりと、友達として楽しい日々を過ごしていました。

2人の関係がそれから特に進展することもなく、お互いに彼氏彼女ができ、
2年生になってクラスが離れてからは
廊下ですれ違って軽口を叩き合う程度の関係になってしまいました。

それから数年後、髪を伸ばし化粧を覚えた私は年上の彼氏と婚約していましたが、彼の酒癖や日々の言動に嫌気がさし、婚約破棄をしました。

そして同居していた彼の実家を出て、
祖父母の家で暮らしはじめていました。

傷心中の私はしばらく男の人と付き合うのはいいや、と思っていました。

しかし、インスタのストーリーに投稿した私の姿を見た、

隣の席だった彼からメッセージが来ました。

彼「めっちゃ可愛い子おると思ったらお前やった…」

私「残念そうにせんといて笑」

彼「なんかあれやな〜、彼氏さんと付き合ってから可愛なったな笑」

私のドキドキは最高潮。
密かに憧れていた彼から。
しかも容姿のことで私を褒めるなんてしたことなかった彼が、

私に可愛いと言ってる!!

私「せやろ〜〜笑
別れたけど笑」

嬉しいけど、なんでもないふりをしなければ
と思った私は何気なくそう返しました。

彼「マジで?
俺もこないだ別れた。」

同時期に、彼も色々あって自分のパートナーと別れていたらしく、傷心中でした。

そこからは2人で飲みに行くことになり、
お互いこれまで何があったかを話し、
慰め、良い友達になっていきました。

子供だった高校一年生の頃のようにふざけあい、バッティングセンターで酔っぱらって空振りする彼を見て、

私は久しぶりに大きな声で笑いました。


何度目かの遊びのあと。
彼からのアピールが
とてもわかりやすく可愛かったのですが、

しばらくこの関係を楽しみたいと気づかないふりをしたまま、私はドキドキしつつ
彼を花火大会に誘いました。

彼は仕事があったにも関わらず、
二つ返事でOKしてくれ、
私に浴衣を着てくるように言いました。

花火大会の会場はとんでもない人でした。

彼「はぐれるんちゃう?」

私「大丈夫やろ笑」

彼「いやぁはぐれそうやなぁこれは〜」

私「こんなゆっくり歩いとんやではぐれんて笑」

彼「手とか繋いだ方がええんちゃうかなぁ」

私「すけべ!笑笑」

人混みから逃げ、
少しひらけた場所でりんご飴を舐めていると

花火が上がりました。

私「わ〜〜きれ〜〜〜〜!」

彼「………」

私「やばいな!」

彼が無言で私の前に立ちました。
あまりに真剣な顔をしていたため、私はいつもの軽口がたたけませんでした。

彼「…俺や、ダメなところもいっぱいあるし、金も、あるわけじゃない…。

でも、よかったら俺と…付き合っ……て、
くだ、さい。」


聞いている私が、
あまりに緊張したらしく、
目の奥がくらりとした感覚と、
息を吸ってはじめて、

これまで息を止めていたことにも
気づきませんでした。


はにかみながら、
彼の目を見て。

しっかりと返事をしました。


帰り道は、
人混みの中をゆっくりゆっくり歩いて帰りました。

彼「っはぁ〜〜緊張した〜〜」

私「敬語やったな笑笑」

彼「告白って敬語じゃないとあかん感じせん?w」

私「可愛かったで笑」

彼「うるせえ」

私「あと、キミ、

手汗ぬるぬるなんやけどw」

彼「拭くから手繋いで」

私「www」

彼と付き合って、8ヶ月になります。
お互い仕事が忙しいですが、とても幸せです。

高校一年生の私に、
彼と付き合ってることを
伝えたらどんな顔をするかな。

written by りーたん

エピソード投稿者

りーたん

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