初恋

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これは私の10歳から16歳までの6年間に及ぶ初恋のお話です。
小学校5年生になったばかりの時、学年で1番カッコよくて足が速くて背が高くて頭も良くてそして優しい完璧な男の子を好きになりました。
私は好きになると緊張しすぎて話せなくなってしまうタイプで緊張して全然話せませんでした。
しかし勇気を出してその頃流行っていた「好きな人交換」をしようと持ちかけました。お互い好きな人を紙に書いて交換するというシンプルな遊び(告白?)みたいなものなんですが、彼は快くオッケーをしてくれて、交換しました。あの時のドキドキは本当に忘れません。給食終わり掃除に行く前に交換して、掃除の前にこっそり誰もいない場所に行って見たのを覚えています。そこには小さな文字で「さくら」と私の名前が書かれていました。本当に嬉しかったです。
そして彼の誕生日、プレゼントを渡しに行きました。たまたまお互い習っていた習い事の場所が近くだったので、彼が来るのを待ち走って渡しに行きました。「お誕生日おめでとう」と渡し、そのまま恥ずかしくて走って習い事の会場に戻ったのを覚えています。
次の日学校で会うもお互い恥ずかしがっていましたが、彼が提出物を集めるとき私のところへ来て耳元で「ありがとう」と言ってくれたのが本当に嬉しかったです。ドキドキでその日の学校での出来事はこれ以外本当に何も覚えていないくらいでした。お揃いのシャープペンシルをプレゼントして、卒業まで使ってくれていました。
そんな彼とそのまま付き合うわけでもなく両想いの状態で小学校を卒業し、彼は私立の中学校へ、私は地元の公立の中学校へ進学しました。メールはたまにするものの、お互い忙しくなりあまり連絡も取らなくなりました。誕生日だけはお互い覚えていてしっかり連絡をくれたのを覚えています。
そして月日が経ち中学3年生に上がる春休みのこと。突然彼からメールが届きました。
彼「久しぶり。元気?さくらは今好きな人いるの?」
私は恥ずかしい気持ちと時間が経ってるので彼に振られるのが怖くて
私「久しぶり。元気だよ!微妙かなぁ。ショウタは?」
と返しました。すると彼からは
「俺はあの頃と変わらずさくらが好きだよ」
と返事が来たのです。
私は突然の出来事にビックリし過ぎてその日は
「ありがとう」とだけ返信をしました。
次の日私もしっかり気持ちを伝えようと思い、
「昨日はびっくりして言えなかったけど、私も今でも好きです」と伝えました。
しかしそのまま付き合うこともなく、また彼とは両想いだけど中途半端な関係に。
遊びに行ったりもしましたが、付き合おうとか、私たち付き合ってるの?とか聞けずに月日が流れました。それでも私は嬉しくて、彼が電車通学だったので私も同じ電車で高校に行きたいだ思い、方向の同じ高校を目標に勉強を頑張りました。
そして夏休み。私は必死に受験勉強をしていました。するとそこに彼からメールが届きました。
「俺たちの関係は友達って事でいい?」
後々考えてみればここから私の返しようでは付き合おうという流れになれたかもしれないのに、私は振られたんだと勝手に思い込み「いいよ」と返しました。
それから連絡を取らず私はショックで落ち込みましたが、もしかしたら彼と電車が同じになれば戻れるかもしれないと思い受験を頑張りました。
そして彼と同じ方面の第一志望に受かりました。
彼とはあの日以来連絡は取っていませんでした。
電車に乗るとき私は彼に会いたい気持ちと会いたくない気持ちで人の少ない前の方の車両に乗りました。すると隣の扉から彼が乗ってきたのです。たまたま同じ時間の電車で同じ車両に毎日乗っていることが判明しました。
そのまま彼とは仲のいい友達に戻りました。
私は当分好きでしたがやっと取り戻した関係を崩すのがこわくて気持ちも伝えられず、結局そのまま付き合うことはありませんでした。
彼とは20歳を超えた今も毎年誕生日のお祝いのメッセージのやりとりだけは律儀にしています。
私の返事次第でもしかしたら今も彼と一緒にいれたのかもしれないとたまに思いますが、今では甘酸っぱいとても素敵な初恋の思い出です。

written by さくら

エピソード投稿者

さくら

女性 投稿エピ 5