福島県の神秘「五色沼」!素敵な景色と幸せを招くハートの鯉を見に行こう

東京からほど近い福島県に、大自然のパワーを感じられるスポットがあります。

それが国立公園内にある色とりどりの「五色沼」。

五色沼の生まれた経緯や、今私たちに見せてくれる美しい姿などの理由を知ると、「自然って恐ろしくも素晴らしいものなんだ」と実感する特別な体験ができます。

ちょっぴり心が疲れている時、大自然の中で癒やされてみませんか。

恋に効くと言われるジンクスもある五色沼へぜひ出かけてみましょう!

五色沼ってどんなところ?沼って暗いイメージがあるけれど・・

「沼」と聞くと土色の決して美しいとは言えない光景を想像する方が多いのではないでしょうか?

鬱蒼と茂る森の中、少し怖いくらいの底の見えない土色をした大きな水辺と言うイメージですよね。

良いパワーをもらえるどころか、パワーを吸い取られそう・・・いえいえ、「五色沼」は決してそんな暗い景色の場所ではありません。

「沼」とは言うものの、自然の神秘が織りなす様々な色に輝く美しい湖沼群なんです。

< 五色沼 >
■住所:〒966-0400 福島県 耶麻郡北塩原村桧原
■アクセス:東北新幹線郡山駅からJR磐越西線に乗り換えて猪苗代駅へ。そこから磐梯東都バスで30分ほど
■HP:五色沼湖沼群 裏磐梯観光協会

福島県「磐梯高原」にある湖沼群

五色沼は福島県北部にある磐梯山、安達太良山、吾妻山に囲まれた標高800メートルに位置する磐梯高原にあります。

三峰の山々はどれも日本百名山に選出されるほど風格のある姿で、磐梯高原から眺めることができます。この高原地帯には実に300もの湖沼が存在し、まとめて「五色沼湖沼群」と呼ばれています。

「五色沼」とは5つの色の異なる沼と言う意味ではなく、季節や時間帯、または天気によって同じ沼でも違う5色に見えると言うことから名付けられた名前です。

水面の色が変化する湖沼群なんてなんだか素敵ですよね。

一帯が「磐梯朝日国立公園」の特別保護地帯に指定されている

「国立公園」とは国が景観や自然を守るために保護している地域のことを指し、国内34箇所が国立公園として指定されています。

美しい森の中で自然の作り出す不思議な景色に出会うことのできる五色沼一帯は、福島県・山形県・新潟県にまたがる「磐梯朝日国立公園」の特別保護地帯に指定されています。

磐梯朝日国立公園は昭和25年に指定された、日本で2番目に大きな国立公園でもあります。

五色沼一帯は「特別保護区」に指定されているので、周辺からは何も持ち出すこともできませんし、動植物の採取も禁止されています。

自然の中へお邪魔させてもらう、そんな気持ちで散策を楽しみましょう。

明治21年に起きた噴火で生まれた地形

五色沼一帯は明治21年に起きた磐梯山の噴火と山体崩壊により形成された土地です。

噴火によりかつてあった小磐梯は消滅し、岩屑なだれが引き起こされました。この岩屑なだれにより川がせき止められ、無数の沼が形成されたのです。この時流れ込んだ火山性物質が水質や植物の成長に影響を与えた結果、光の反射で色が変化して見えるのです。

今現在の五色沼周辺はとても穏やかで優しい雰囲気の漂う美しい場所ですが、自然の力によって大勢の人々が犠牲になった歴史を心に刻んでおきましょう。

「磐梯高原緑化の父」遠藤現夢

五色沼の美しい自然は「遠藤現夢」抜きには語れません。

磐梯高原緑化の父と言われる遠藤現夢は、磐梯山の大噴火で荒れ地となっていた磐梯高原一帯を再び美しい自然の溢れる場所にしたいと自らの私財を投入して植樹を進めた人物です。

新潟方面から木や苗を運び、噴火による岩石の転がる道を整えながら植林をすすめた遠藤現夢。

今私達が雄大な自然を目にすることができるのは、このような先人たちの血の滲むような努力のおかげです。

現夢のお墓は五色沼にある「柳沼」のほとりに建っています。感謝の気持ちを持ってぜひお参りしてくださいね。

日によって色が違う!五色沼で大自然を感じよう

五色沼のことを少し勉強した後はその楽しみ方と魅力を存分にご紹介していきましょう!

五色沼一帯は「五色沼自然探勝路」が整備されており、トレッキング初心者の方も安全に楽しめるようになっています。

訪れる人々もしっかりと準備を整えて「さあ、今から歩くぞ!」と言った雰囲気の方も、トレッキングと言うよりはデートコースとして景色を楽しむ方など本当に様々。

本格的なトレッキングも、気軽に自然を楽しむこともできる人気の場所です。

「五色沼自然探勝路」の入り口

「五色沼自然探勝路」は全長約3.6キロに渡り、色鮮やかに輝く沼を眺めながら林の中を進んで行く五色沼を満喫できるコースとなっています。

自然探勝路を往復しても良いですし、体力に自信のない方やあまり時間が取れない中でも景色を楽しみたいと言う方は五色沼への入り口である裏磐梯ビジターセンターと出口の磐梯東部バスの「高原駅」を繋ぐバスが走っているので、到着地からバスに乗って戻る方法も良いでしょう。

入り口と出口にはどちらにも駐車場があるので、車を置いて自然探勝路を歩きバスで戻る方法もおすすめですよ。

ビジターセンターでは長靴やクマ鈴、双眼鏡などの貸出も行っています。

自然は美しく素晴らしいものですが決して油断はなりません。クマ避けも必要ですし、奥へと進むなら装備も整えましょう。

何度もトレッキングを行っている五色沼を知り尽くしたスタッフさんからアドバイスを貰えるインフォメーションがあったり、森の動植物やその季節の草花などを紹介してくれるコーナーも設けられています。

少しだけ勉強してから歩き出せば面白さも倍増しますよ!

■住所:〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峰1093-697
■サイト:裏磐梯ビジターセンター
■アクセス:JR磐越西線猪苗代駅から磐梯東都バス乗車 五色沼入口停留所下車

豊かな自然を恋人同士で楽しんでみよう

主な6つの湖沼を楽しめるコースは、遊歩道沿いにも小さな沼がたくさんあります。

五色沼自然探勝路は遊歩道以外の道を歩くことはできませんが、左右を良く見渡して自然を満喫しながら歩きましょう。

ふと足元を見ると可愛らしい花が咲いていたり、虫がエサを運んでいたりと思わず口元が綻んでしまうような光景に出会えることでしょう。

最初に現れるのは「毘沙門沼」

毘沙門沼

五色沼湖沼群 裏磐梯観光協会

ビジターセンターを入り口にして自然探勝路の散策をスタートさせると、最初に現れるのが五色沼最大の「毘沙門沼」です。

周囲4キロ、深さは13メートルの大きな毘沙門沼はぜひ角度を変えながらその景色を楽しみましょう。

緑とも青とも表現し難い美しい水面は見る角度によって色が変化します。水面のグラデーションは特に秋、紅葉の季節になるとさらに木々の赤色が映り込み絵画のような景色をみることができますよ!

毘沙門沼はビジターセンターから徒歩5分ほどで到着するので、本格的なトレッキングでなくとも立ち寄りやすく、五色沼の雰囲気を十分に味わえます。

毘沙門沼にはほとりの少し高台に展望台があり、天気の良い日はそこから磐梯山を眺めることもできます。

毘沙門沼でハートの鯉を見つけると幸せになれるというジンクスが♡

ハートの鯉を見つけたら運気アップ

毘沙門沼はプランクトンがとても豊富な水質で、多数の水生生物や植物が生息しています。

深く大きな毘沙門沼には鯉が優雅に泳いでいます。

その中に見つけると恋愛運がアップすると言われている特別な鯉がいるんです!

その鯉の特徴は真っ白の体、目の上の赤い模様、そしてお腹の部分にある赤いハートマーク。ぼんやりハートマークに見える、のではなく、完全にはっきりとしたハートマークなので意外と見つけやすいかもしれません。

シングルの人がこの鯉を見つけると恋愛運がアップし、カップルで見つけるともっと仲が深まるんだそうですよ。

ぜひ探してみましょう。

ボートに乗って鯉を探そう!

ボートに乗って鯉を探そう!

五色沼で一番大きな毘沙門沼では美しい水面に浮かぶボートを楽しむこともできます。

360度を自然に囲まれた世界で二人きりでボートに乗ることができ、日によっては観光客やトレッキングの人たちもまばら、加えて恋愛のジンクスもあるこの毘沙門沼はデートコースとして完璧だと思いませんか。

特に、付き合ったばかりの二人や気になる人と出かければ良い雰囲気になること間違いありません。

鯉たちは人の姿が見えるとエサがもらえることを知っているようで、ボートの周辺にたくさん集まって来てくれます。

ハートの鯉を探すためにはボートに乗るのが近道と言っても良いでしょう。

次に現れるのは「赤沼」

赤沼

五色沼湖沼群 裏磐梯観光協会

毘沙門沼を後にして本格的なトレッキングコースへと入って30分ほど、次に現れるのは「赤沼」です。

名前から赤茶けた色の沼を想像しますが、水面の色は深い深い緑色。

ではどうして赤沼と言うのでしょうか?

人の手が及ばない大きな自然の力で造られた五色沼の水は火山の活動によって産出される成分をとても多く含んでおり、火口から一番近くにある赤沼は強酸性の水質をしています。この強酸性の沼の水により赤沼の水辺の土や木が赤茶色に変化していることから赤沼と呼ばれています。

今は縁のみが赤色をしていますが、以前はもっと赤茶色の水面だったと言う話も。

地震や水の流れの変化により水質が変わると一番影響を受けるのがこの赤沼です。

マーブル模様の「みどろ沼」も必見!

みどろ沼

五色沼湖沼群 裏磐梯観光協会

一つの沼の中に赤、緑、そして青の3色がマーブル模様を描くように混ざり合う「みどろ沼」も見逃せません。

みなさんも子供の頃、絵の具で遊びましたよね。色の違う絵の具同士を混ぜると最初は色の境がはっきりしており、混ぜ続けると新しい一色ができあがります。

みどろ沼はちょうどその絵の具を3色混ぜ始めたばかりのような、はっきりとした色の違いを見ることができるとても不思議な沼です。

水質や水の中で発生する水草によって色が異なるのですが、その日の天気にも大きく影響を受けるのがみどろ沼の特徴。

よく晴れた、太陽の日差しの眩しい日にしか青色は現れません。

みどろ沼のコバルトブルーは角度によっても現れたり消えたりするので、ぜひ色んな角度から見てくださいね。

海のような青色が広がる「弁天沼」

弁天沼

五色沼湖沼群 裏磐梯観光協会

真っ青な、と言う表現は海や空を表現する時によく使う言葉です。

スカイブルー、コバルトブルー、ライトブルー、ターコイズブルーと「青色」を表現する言葉はたくさんありますが、この弁天沼みなさんの想像を遥かに超える「青」を見せてくれます。

口コミの中には「五色沼は弁天沼を見てこそ」と言う意見も見られるほど。

弁天沼は毘沙門沼に次ぐ二番目に大きな沼で、その水面の青さで知られています。

確かに見る人を魅了する圧倒的に美しい青色がそこに存在します。真っ青な水面の周辺には鬱蒼と茂る緑の木々。遊歩道には弁天沼全体を見渡せるようにと手作り感の溢れる木製の展望台も用意されています。

高い角度から見るとまた色に違いが出るので、美しい弁天沼を目に焼き付けましょう。

名前も美しい「瑠璃沼」

瑠璃沼

五色沼湖沼群 裏磐梯観光協会

できたばかりの新しい展望台から眺められるようになったのが「瑠璃沼」です。

数ある沼の中でも、沼と磐梯山を一緒の写真に収めることができるのは瑠璃沼と毘沙門沼だけ。深い緑色の瑠璃沼も見る角度を変えながら色んな緑を楽しみましょう。

「自然探勝路」の終盤は「青沼」

青沼

五色沼湖沼群 裏磐梯観光協会

五色沼自然探勝路の終盤に現れるのが「青沼」です。

真っ青な弁天沼と比べると、白が混ざったような青白い水面が特徴。

日により白が強い色であったり、青が強く出ていたりと行く度に違う景色を楽しめるのが青沼です。

何本も立つカラマツがまた神秘的な雰囲気を醸し出していますよ。

「柳沼」でゴール!

柳沼

五色沼湖沼群 裏磐梯観光協会

3.6キロの自然探勝路の最後の見どころが「柳沼」。先程ご紹介した遠藤現夢の墓石や磐梯山の噴火で亡くなった方の慰霊碑が辺りにあります。

鴨の姿を良く見かける柳沼ですが、実はこの鴨がおらず、風も吹いていない時がとっても美しいんです!

波立っていないときの柳沼は周辺の木々が見事に水面に反射して、さながらボリビアの「ウユニ塩湖」のよう!運が良いと本当に鏡に写したような景色に出会えます。

ハートの鯉が見つかったらラッキー!カップルで心洗われるひと時を

豊かな自然の中で心が洗われる体験は、都会では経験できません。

五色沼にトレッキングに訪れて、自然の素晴らしさの虜になってしまう方もとても多いのだそうです。

神秘的なパワーの溢れる五色沼全体と、毘沙門沼のハートの鯉のパワーでトレッキングが二人の共通の趣味になるなんてこともあるかもしれませんね!

ぜひ美しい五色沼を訪れてみましょう!

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