【体験談】同棲でペットを飼う時の心構え!知っておいてほしい大変さ

晴れて彼氏と一緒に住むことになったあなた。おめでとうございます。

わくわくドキドキしていることでしょう。

仕事から戻れば彼が先に帰っていて、あなたのために夕食を用意してくれている、もしくはその逆もある。週末は一緒にスーパーに買い出しに出て部屋の掃除。

(ただし現実はそう甘くない…ごにょごにょゴッホン、)

それはともかくさすがに子どもを作るわけにいかなくてもペットは飼いたいと思うのではないでしょうか。

私は同棲カップルのペット飼育は決して悪いことではないと思います。しかしさまざまな覚悟や心構え、そしてルールが必要です。

ケンタさんとモエさんという登場人物で見ていきましょう。

ペットを迎える動機

ケンタはTV番組制作会社に勤める28歳。ディレクターの彼は地方ロケが多く飛び回っています。

モエは派遣社員の28歳。出張は一切ありません。

二人が同棲を初めて約2年。たまたまペット可のマンションに住んでおり、毎日犬を連れた住居人たちと玄関ロビーなどですれ違います。

若い夫婦にじゃれ合うトイプードルや豆柴をみていると、犬猫と育ったケンタは「いいなあ」とうらやましくなります。

「ペットを飼わないかい。犬じゃなくても猫でも鳥でもウサギでもいいから」とモエに提案してみました。しかしモエは乗り気じゃありません。動物を飼ったことがないし綺麗好きで現実的な彼女には、ペットを迎えることがそんなに素敵だとは思えませんでした。

しかしケンタとは将来結婚するつもりだったので、子育ての良い予習のようなものになるかなと思ったのと、あまりのケンタの熱意にほだされ渋々オッケーをしました。

まずはアレルギーチェック

モエは早速病院に行きました。犬猫または鳥アレルギーがないか調べたかったのです。

ネットで調べるといざペットを家に迎えたとたん、くしゃみ鼻水皮膚の痒みで悩まされたという実体験は色々書いてあったからです。

せっかく飼ったペットを触れないのは自分だけではなく、そのペットにとっても気の毒です。飼ったあとにアレルギー発症し手放すというのは双方にとって不幸です。

血液検査の結果、モエさんには特定の動物アレルギーはあるように見受けられませんでした。

飼いはじめるなら子犬や子猫が良いとは限らない

ケンタは子犬か子猫を欲しがりました。しかしモエはそれに反対をしました。

一つ上の階の部屋に住む女性がジャックラッセルテリアの子犬を飼っています。一人暮らしの彼女の帰りは毎晩遅く、子犬がずっと吠えているのをよく知っているからです。

たまにマンションの廊下などですれ違うと、その子犬はあきらかに若いエネルギーを持て余していました。傍で見ていてなんだか子犬が留守番ばかりで可哀そうでした。

実際に色々調べると実際子犬子猫は1日4回ほどに分けてミルクやフードを与えなければならないといいます。

また健康面ややんちゃの意味でもまだまだ目が離せないといいます。

だからといって檻に閉じ込めておくのははっきり言って可哀想です。ちなみにペットショップでは「日中ずっと寝ているだけなので大丈夫ですよ」と言われますが、それは狭い檻に入れられ、他にやることがないから寝ているだけなのです。

子犬子猫は丈夫な身体を作る上でもいっぱい動かなければなりません。そしていっぱい遊んであげて脳に刺激を与え情緒教育もしなければなりません。

ペットシッターを雇えるだけの経済余裕があるか、または出勤先にペット同伴できるならば生まれて間もない子犬子猫を迎えることも可能でしょう。

しかしモエたちはそうではありません。「生後間もない子犬子猫は除外しましょう」。

ケンタは不服そうでした。しかし生まれたての子犬子猫がいきなり「毎日八時間以上」の留守番をできるわけがありませんから、ケンタが折れました。

迎えたいペットが決まったら

小動物や熱帯魚などはおそらくペットショップや専門店になると思います。

犬猫は生体展示販売の実態や裏方の繁殖場で度重なる辛い交尾出産を強いられている親犬猫の実態もすでにネットでも出回っています。

また劣悪な繁殖場で生まれた子犬子猫が遺伝的疾患を持って生まれてきたというのはよくあることです。

多くの意味においてできるだけ良心的なブリーダーの所に二人で足を運ぶかまたは保護犬猫を迎えてあげてください。

同棲カップルはお断りのケースは多々あります。しかしあなた達がいかに覚悟をし万が一二人が別れてもペットを見捨てないか説得をすれば、耳を傾けてくれるボランティアや譲渡主は必ずいるものです。

諦めないでください。

ケンタとモエは結局インターネットの里親募集のページで見つけました。

「年老いた父親がパピヨンを飼っていました。認知症が進行し施設に入ることになりました。娘の私はペーパー不可の集合住宅住まいです。どなたか貰って下さい。留守番もできるしトイレは外でも家でも失敗しません。ほとんど吠えません。健康な明るいいい犬です。女の子です。6歳です」

電話やメールで何度かやり取りをし、いよいよそのパピヨンの犬を迎えることになりました。

飼育の仕方で揉める

迎えたパピヨン成犬の名前はパピちゃんといいました。

パピヨンにパピちゃんだなんて、モエは嫌でしたが、今更名前を変えるのは気の毒です。

二人は名前問題こそ話し合ったものの、肝心な具体的な飼育の仕方や考えについて十分会話を交わしませんでした。

そこでパピを引き取るやいなや「早速思わぬトラブル」が続出しました。

トイレのしつけで喧嘩!

真っ先に起こった問題がトイレ問題でした。

何も問題ないといわれていたのですが、環境が新しくなったがゆえに、パピはソファーの上やカーペットの上で粗相をしました。

モエはおしめをつけるかトイレの失敗をしたらケージに閉じ込めてお仕置きをした方がいい、それがしつけだと言い張りました。ケンタは「そんなことはしつけではない!」と反論。同棲して二年経つといいましたが、二人は初めて大喧嘩をしました。

結局パピのおしっこやうんちで汚れたところはケンタが掃除洗濯をする、だめになった毛布などはケンタが弁償するということで決着。

パピがペットシートでトイレを覚えるのに結局五か月かかりました。

後になって思い出せば、トイレ問題なんて些細な可愛い問題なのですが。

犬の散歩は大変!?

いまだにまだ小型犬は散歩を要らない、というペットショップもありますがそれは大間違いです。

どんな犬でも若くて健康であるなら、外の散歩は必須です。たまにどうしても散歩嫌いの犬もいますが、犬が犬である限り小型犬でも基本的に必ず外に連れ出さなければなりません。

それをする時間と体力があるのか、またもし彼氏が散歩をしなくなってもあなたが毎回散歩する覚悟があるのか、よく考え話し合っておかなければなりません。

二人の場合は朝はケンタが、夜はモエが散歩をし週末は二人で、そしてケンタが地方ロケで不在の時はモエが朝も散歩をする、そのかわり東京に戻ってきた週にはケンタが家事全般を担当すること、とルールを設けていました。

最初の頃はケンタは散歩を張り切っていました。しかしそのうち「朝起きられない。もう少し寝かせて」と布団から出てこなくなりました。

また彼が犬散歩に出かけても、モエはいろいろ気に入らないことがありました。それはケンタがスマホをいじりながら歩き、犬を全然見ていないことです。また首輪をぐいぐい引っ張っていることもそうです。

土日に二人で一緒に犬散歩に出ると、なおさらのこと彼のリードの持ち方にイライラハラハラしました。

交通往来の激しい道路の曲がり角でも、パピを先に歩かせる、信号が赤になりそうなのに強引に小さなパピを連れて横断するなどです。

「ぼくは犬と育ったから」と胸を叩いていました。しかし思えばケンタが育った所は車やバイク自転車が所狭しにガンガン通るような都会ではありません。畑だらけの田舎です。

そして彼の母親に聞けばそもそも「あいつは犬散歩なんてほとんどしなかった」。

犬散歩でもうひとつ、モエが気になったのは犬飼い主と会話するときです。同じ犬を連れた同じ飼い主に何回会っても、ケンタはその人を認識せず犬の名前も覚えません。

さらにトイプードルなどを連れた綺麗な若い女の子に出くわすと、露骨にデレデレヘラヘラするのです。

「本当に結婚相手としてこの人は大丈夫なのか」とモエは初めて疑問に思い始めました。

一方のケンタもたかが犬のことで色々神経質の彼女を見ていて「うーん」と首をかしげるようになっていました。

猫の場合は?

ところで余談ですが猫は散歩は入りませんが、若いうちは特に十分遊んであげなければなりません。

そして「深夜の運動会」をおっ始める可能性が高いです。夜になるといきなりスイッチが入り、バタバタ走り回り始めるのです。

当然人間の睡眠に支障がきたします。だからといってこれまたケージに閉じ込めておけばいいというのは間違っています。

さらに猫は一般的に犬のように外の散歩をしない代わりに、本当に家の中で遊ばせなければなりません。そのため2部屋以上の間取りは必要ですし上下運動もできるようにキャットタワーを置けるスペースも必要です。

もっといえば猫には「眺め」が必要です。ちょっと前までテレビで流れていた窓のコマーシャルでも猫が主役だったほどです。

そして外にでなくても健康のために太陽には当たる必要があります。

よって同棲部屋が狭いワンルームで景色もなく日当たり条件も悪いのならば、無理して猫は飼わない方がいいでしょう。

たかが犬されど犬の飼育

他にも様々な意見の対立にぶつかりました。ケンタは「可哀想だからベッドに入れてやろうよ」といい、モエは「ケジメ」を理由に却下。

結局さんざん揉めた後、雪の降る寒い日に布団に入れてやったのをきっかけにパピは二人のベッドで眠るようになりました。

ただ毎晩毎晩犬を間に挟んでベッドに入ることに今度はケンタが不満を覚え始めました。「これで結婚したら子作りが果たしてできるのであろうか」。

食べ物についても同じです。ケンタはパピがもっともっと欲しがっているのにモエが厳しくて十分与えない、とこぼします。

一方のモエは、ケンタがパピを肥らせようとしているし味付けの濃い人間の食べ物をちょいちょい与えるし、添加物まみれのドッグフードを買ってくることに苛立ちます。

一番イライラするのはケンタに皿洗いをお願いすると、パピのフードは皿をゴシゴシ磨いたスポンジで、人間の食器も洗うことです!

動物病院のことでも口論です。モエにしたらケンタがろくすっぽ説明も聞かず獣医の言われるがままにホイホイなんでも注射を射たせるのに我慢なりません。

ケンタから見ればモエがいちいち獣医につっかかるのが気になるし診察代は自分ばかり支払うのも内心ちょっと面白くないと感じています。

トリミングだって自宅シャンプーだって大変です。ケンタはバッサリけを切りたがります。しかしパピヨン専門サイトには「パピヨンは毛をカットする犬種ではない、お尻周りを短くするだけで十分」となっているのです。

だから「紫外線で地肌を傷めるしパピヨンは長い毛が自慢なの」とモエは言い返します。「でも夏は見ていて暑苦しそうじゃないか」とケンタ。

いちいち噛み合いません。

確かにトリミングやシャンプーのことまで、犬を迎える前に話し合っておくわけがありません。

このように予想もしていなかった意見の不一致にいっぱい出くわし、なんだか二人ともへとへとです。

ペットが本当の家族になってから

このように最初の1、2年はずいぶん揉めました。正直何度相手と別れようか、と互いに思ったものです。

  • 「彼女がこんなに頑固で厳しい女性だったなんて」
  • 「彼がここまで口先だけでいい加減だとは思わなかった」

ところが3、4年経つと犬のことで喧嘩することが減っていきます。さすがにお互いにあうんの呼吸をつかめてきたからです。

ケンタが起きないなら文句を言って怒鳴るよりも、モエは自分がさっさと散歩に行った方が早いし、散歩すればするほどゆっくり体重が落ちていくことに気がついたからです(笑)

動物病院も一緒に行くと揉めるので、何かあったらモエは一人でパピを連れて行くようになりました。隣にややこしい男がいないと、落ち着いて獣医の説明を聞いて納得いく治療などを受けさせることができました。

トリミングも然り。可愛いトリマー達にへらへらする彼がいないと、ちゃんとてきぱき彼女達とやり取りをすることができました。

食べ物についてはとにかく目を光らせました。何よりも犬のパピ自身が「ボス」をケンタではなくモエと認めたらしく、モエの言うことを最優先して聞くようになったのが非常に助かりました。

そして気づけば穏やかにパピを囲んでケンタと過ごせるようになりました。お互いに仕事の愚痴よりも、パピの話を笑いながら交わすことが増えました。

ケンタが泊まりの仕事の時は必ずパピの食べている写真や寝顔写真、歩いているムービーを送りました。

休みの日はパピを連れてペットオッケーのカフェやパブに出かけ、ドッグランで一緒に走り、ペット用品ショップでは二人で犬服や犬の浴衣を選んで楽しく買い物もするようになりました。

最初来た時はどこかおどおどして今一つ可愛げの足りなかった保護犬パピ。それが今谷すっかり「うちの子」です。

どちらかが帰ればしっぽを振って玄関までお迎えし、二人と出かけると本当に嬉しそうな表情になります。

これが可愛くないわけありません。むろん時々は犬のことでも他の事でも揉めます。しかし二人が別れたらパピが悲しみます。最初の飼い主には飼育放棄され、また捨てられたと思うかもしれません。

またケンタもモエも一人暮らしで犬を飼うのは大変です。お互い協力し合うのがなんやかんやでちょうどいいし助かります。

気づけばケンタとモエは犬のパピを囲んですっかり「家族」になっていました。

ペットとのお別れは突然やってくる

お別れは意外と早くきました。パピが12歳になったとき、鼻腔ガンが見つかったのです。

腎臓もすでに数値がとても悪くなっているため、全身麻酔は使えないので腫瘍摘出手術はできない、と獣医に言われました。

二人でいくつかの動物病院を回りました。大きな大学病院にも行きました。しかしどこも同じ診断結果でした。

壮絶な激痛らしく、全然吠えない鳴かないパピが初めてキャンキャン悲鳴を上げ床上にのたうちまわるようになりました。自然療法士の所にもパピを連れて行きました。なんとかというサプリメントも、海外から取り寄せたなんとかという薬も水素水もルルドの奇跡の水も何とかパワーのマッサージも藁にもすがる思いで全て試しました。

パピが何も食べられなくなって痩せ細ってくると、人間の食べ物はだめと言っていたモエも必死になってチーズ、アイスクリーム、ベーコンソーセージ、何でも与えようと必死になりました。

ついにある日「見てられない」とケンタは泣きながらマンションを飛び出し、夜中の公園で禁煙していたタバコを吸い出しました。その時もモエだけは苦しむパピにずっと寄り添い続けました。

獣医に安楽死を薦められた時ケンタはまた逃げ出しました。いくらモエがスマホに電話をかけても彼は応答しません。

結局彼は戻ってきて泣きながらですが、淡々とモエと話し合いをしました。そしてこのままだとパピの苦しみがより強いものになって辛い思いをして絶命になります。

ケンタとモエは一緒に獣医の所に足を運びました。そして背筋を伸ばして手を繋いだまま、改めてパピの症状と今後の見通しを聞き、そして絶対助からないし苦しみが増えるだけという話に冷静、耳を傾けました。

その当日は獣医に自宅に来てもらいました。

そして二人と一緒に毎晩寝ていたベッドの上に彼らは座り、パピを抱きしめたまま獣医に安楽死の注射を射ってもらいました。

すっと安らかに、あっという間に逝きました。久しぶりにパピの穏やかな表情を見ました。ケンタとモエは一緒にいつまでも泣き続けました。

命の重さを考えて。今本当にペットが飼える環境なのかを考えてみよう

一般的に同棲生活においてペットを飼うと、思わぬ相手の本性を見てしまうことがあります。

優しい人だと思っていたけど犬に怒鳴り叩いた、もう飽きたと犬散歩をしなくなった、猫に怒鳴ったりペットフード代をケチったりペットがとても嫌がることをしつこくやる、ペットの前で煙草を吸う。
  • またペットが病気になった時に非常に頼りがない。
  • おどおどするだけ。
  • 動物病院に連れていくつものも寝られない看病介護も全てこちらに丸投げ。

もっといえばペットがあなたにばかりなついて嫉妬する彼氏もいます。

逆に彼の包容力や頼もしさに驚くこともあります。

ペットとの共同生活を通して、この人は結婚相手としてどうなのか、いい父親になれそうかどうか見えてきます。

ペットを迎えることによって彼のよい面も悪い面も見えやすくなります。命を育んでそして見送るということは本当に本当に大変なことです。ペットを飼うというのは誰にとっても生易しいことではありません。

しかしうまくいけばケンタやモエのようにペットを通して両方が成長し絆も強めていけます。

ただ同棲解消になる可能性はどのカップルにもあり得ます。その時にペットが路頭に迷う、命を絶たれるような事態にだけは決してしないで下さい。

その覚悟と決心を迎えて二人のライフスタイルに合った、そしてぴーんときた運命のペットを迎えてあげてください。

あなたたちを待っている動物は世の中あちこちに大勢いるのですから。

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みなさんのコメント

はなは

かわいそう
元気出してね!!

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