縁結びの効果を最大化!出雲大社にまつわる歴史と正しい参拝方法

縁結びの神社として日本一の呼び名も高いのが出雲大社。

年間200万人以上の参拝者が訪れる場所で、最高の「縁」を追い求める女性やカップル、観光客が訪れるスポット。

今回ご紹介するのは、出雲大社の縁結び効果を最大化する「正しい参拝ルート」と出雲大社にまつわる「歴史」を参拝の流れに合わせてご紹介していきますね。

古事記や日本神話にも伝承される由緒正しき神社「出雲大社」

縁結びの神社として名高い「出雲大社」ですが、正式名称は「いづもおおやしろ」と呼ばれます。

出雲大社の創建は謎とされており、今も尚解明が続いているほど。

神々が作った「神代」とも言われ「日本神話」や「古事記」にも出てくるほど歴史の深い場所でもありますね。

新たな出会いを追い求めての「縁」、今ある大切な人との「縁」、どちらも大切なことですので、出雲大社で「縁」を求めて参拝を楽しんでいきます。

<出雲大社の基本情報>
住所:島根県出雲市大社町杵築東195
電話番号:0853-53-3100
アクセス:JR出雲市駅より徒歩で約25分

10月は全国では神無月、出雲大社では「神在月」

旧暦10月は、全国で神様がいなくなると言われ「神無月」と呼ばれていますが、出雲では全国の八百万が出雲の地に集まることから「神在月」と呼ばれます。

そのため、稲佐の浜で神々をお出迎えする「神迎祭」に始まります。神事は終わると参拝者が続き、浜から出雲大社への「神迎の道」を延々と行列が続き、その後神々は十九社に鎮まります。

全国の神々は、全国の神々は旧暦10月11日から17日までの7日間、出雲の地に滞在します。その間に「神在祭」が行われます。

そして、旧暦26日になると神様が出雲の地を去ることを大国主大神に報告する儀式「神等去出祭」へと続きます。

そもそも、神在月に何故、出雲の地に神々が集まるのかというと、酒造りや、縁結びについて合議したりするためと言われており、神在月に出雲大社を参拝すると、通常よりも縁結びの効果が高くなると言われていますね。

出雲大社参拝に欠かすことができない「稲佐の浜の砂」

稲佐の浜の砂

出雲大社で「縁結び」を目的に参拝をする際、必ず必要になってくるのが稲佐の浜の「砂」になります。

稲佐の浜は、出雲大社より1.4キロ離れた場所にあり、車でも歩いてでも訪れることができ、稲佐の浜は八百万の神々が出雲の地にはじめて降りたつ場所でもある神聖なスポットでもあります。

ここで手にした砂は、この後ご紹介する「素鵞社」にて使用するので忘れることなく手にしておいてくださいね。

小さな袋などを持参しておくと、砂がこぼれることもないので、安心して持ち運びできるのでオススメですね。

恋愛運だけでなく金運など広い運気をUPする「御慈愛の御神像」

出雲大社に入る前に1か所寄り道をしておきましょう。

それは、大国主大神が登場する神話の中で最も有名な「因幡の白兎」を表した神像となります。

袋を背負った大国主大神が、傷ついたうさぎに手を差し伸べているシーンを表現した神像で、袋の中身は苦難や悩みなどを表し、傷ついた兎に接することで、人々の苦難を1人で背負う偉大さを表現しております。

そのため、大国主大神が人々に与える幸福には、恋愛運だけではなく仕事運や金運など人の幸福に関わる広範囲をカバーしてくれるご利益がありますね。

全国的にも珍しい「下り参道」

さて準備も整ったので、出雲大社で参拝をしていきます。

鳥居をくぐり、神社に向かうのですが、はじめに目に入るのが全国でも大変珍しい「下り参道」。

下り参道

通常、神社に向かう際は何百段もある階段を登るなど、駆け上がるイメージがあるのですが、出雲大社は、もともと平地に作られたと言われているため、自然と下り参道へとなっています。

出雲大社に、どんどん引き寄せられる印象を受けるところが、なんだか神秘的な印象を受けますね。

えんむすびの神と言われる所以「ムスビの御神像」

下り参道を過ぎご本殿に入る右手前にあるのが、見事な大国主大神の神になる前の修行中の姿を現した神像。

大国主大神が「縁結びの神様」と呼ばれるようになったきっかけは、幸魂と奇魂といった2つの魂の存在が密接に関わっております。

大国主大神はこの2つの魂たちによって神として尊敬される知識や教養を身につけることができ、結果として「ムスビの神」と呼ばれるようにまでなっていきます。

大国主大神の持つ「ムスビ」の効果は、恋愛運など男女の縁だけにとどまることはなく、家族の縁や友人との縁、そして仕事や健康との縁など幅広い縁と「ムスビ」付けてくれる効果があります。

ムスビの御神像

恋愛に興味がない方でも、他の縁を求めて参拝することでご利益を得ることができますので、ご本殿に入る前に参拝をすることをお勧めするスポットでもありますね。

心身の穢れを清める「祓社」

下り参道を下りていくと右手に見えてくるのが「祓社」。

話に夢中になっていると、つい見逃してしまうので、気を抜くことなく右手に注目していきます。

出雲大社 祓社

なぜなら「祓社」は、出雲大社で大国主大神に良縁を願い「縁結び」にあやかる前に、自身の身体に気付かないうちについてしまった穢れを落とす大切な場所でもあります。

心身ともに綺麗になり、清められた状態で下り参道を下りていき、徐々に出雲大社に近づいていきます。

下り参道が終わると、次ぐのは松並木の美しい参道。両サイドの松並木を楽しみながら、鳥居をくぐると出雲大社の入り口となります。

2礼2拍手1礼ではなく「2礼4拍手1礼」

出雲大社で参拝する際のルールとして、「祓社」や「ご本殿」では通常の神社で行う2礼2拍手1礼ではなく、「2礼4拍手1礼」をしていきます。

この、4拍手というのは、通常出雲大社で大きなお祭りがある際に8拍手を行うため、その半分の数字である4拍手を行うとされています。

また、言葉の意味としては「4」は「シ」とも読むことができ、幸せの「シ」を指すとも言われております。

「シ」と聞くと「死」を意味するなど縁起が悪い印象もありますが、出雲大社では縁起が良いものとされています。

「4拍手」には、1拍手ごとにも意味があり、人と神の魂である「一霊四魂」を意味し、

和魂
荒魂
奇魂
幸魂

とまで言われております。

それぞれの意味を知ることで、よりご利益を感じることができますね。

謝った参拝方法をしないように、出雲大社では「2礼4拍手1礼」であることを念頭において行動するように心がけていきましょう。

恋愛運をUPさせる「縁結びの碑」

「祓社」で心身ともに清め、いざご本殿に向かう前に、もう少し寄っておきたい場所があります。

そこは、松の参道から本殿側に向かって歩いた先の左側に見えてくる「縁結びの碑」になります。

まずは、手水舎でお浄めをしたのち、大国主大神とスセリ姫が仲睦まじい姿で結ばれている日本画が刻まれた碑を見ながら、手を合わせて参拝することで恋愛運がUPしていきます。

見落としやすい場所にあるため、「祓社」で満足して見落とすことがないように注意して訪れるようにしていきましょう。

国宝に指定されている「ご本殿」

いよいよ、出雲大社のご本殿とのご対面になります。

ご本殿は昭和27年に国宝に指定されている由緒正しき神社でもあります。

「大社造」と呼ばれている日本最古の神社建築様式で作られたご本殿は、今も尚その作り方が継承されているほど重要な建物でもありますね。

出雲大社 大社造

ご本殿は中には入ることができないので、外からの参拝となりますが、ポイントは、御神座がご本殿の向きである南向きではなく「西向き」という点になります。

そのため、ご本殿で参拝する際は、西向きで参拝することでご利益を得ることができます。

八百万の神々が泊まる神様のホテル「十九社」

神在月に「稲佐の浜」に訪れた八百万の神々が寝泊まりをする場所とも言われている「十九社」。

そこは、ただ寝泊まりをするだけではなく、出雲大社の主でもある大国主大神との間で「神議」が行われます。ここで行われる話題は「縁結び」。

実は「十九社」では、自身の縁の相手を選出してくれる会議が行われており、出雲大社のご本殿だけではなく、こちらでも参拝することがポイントとなります。

出雲大社 十九社

800万もの神々が宿泊する場としては、小さすぎる「十九社」ですが、「1」をはじまりの数字「9」を終わりの数字として「19」は「無限」を表しており、800万もの神々が宿泊できる場所となります。

ちょっとした豆知識ですが、知っていると面白い内容でもありますね。

大国主大神の父スサノオノミコトが御祭神「素鵞社」

ヤマタノオロチを倒したとされるスサノオノミコトは出雲大社の主である大国主大神の父とされており、ご本殿の真裏にあるのが「素鵞社」。

素鵞社

ここで、稲佐の浜で取得した「砂」を使用します。

社殿の床下には、砂の入った木箱があり、そこの砂を持ち帰ることで「縁結び」のご利益があるとされていますが、稲佐の浜の砂を代わりに入れて交換することで、はじめて意味を成します。

出雲大社 砂の入った木箱

砂の交換をしたのちは、「素鵞社」の裏側にある立ち入り禁止の神々のみが訪れることができる森の木に触ることで、さらにご利益を得ることができますね。

参拝ルートは時計回りではなく「反時計回り」に参拝

国宝の「ご本殿」、神様のホテル「十九社」、スサノオノミコトが祀られる「素鵞社」とご紹介してきましたが、気づかれましたでしょうか?

実は、この順こそが出雲大社の正しい参拝ルートになります。ご本殿を正面に、反時計回りに参拝していき、最後にご本殿の西側にある小さな賽銭箱前で参拝をしていきます。

ここが一番「縁結び」の効果を得ることができるスポットですね。

これは、西向きの御神座を正面に迎え入れるという点と、反時計回りに回ることで、上座から下座に向かって参拝のルートをしていく意味があります。

国内最大級の「大しめ縄」

出雲大社の「大しめ縄」は全長13.5メートル、重量4.5トンで国内最大級とされており、その大きさは目で見てみ取れてしまうほど堂々とした存在でもありますね。

この大しめ縄は6年に一度作り直されるのですが、直近では、2018年6月に作り直しが行われました。

この大しめ縄も作り直しは、1年3か月前から始まります。

大しめ縄に使用するのは、「ワラ」と「吊り木」。しめ縄に使用するワラは田植えからはじめ、吊り木は樹齢150年の木を使用しています。強いこだわりを感じますね。

材料が揃ったら、いよいよ大しめ縄を作り始めます。

一つ一つ丁寧にワラを編んでいき、最後は手作業とクレーンを使って縄を編みこんでいきます。

現代だからこそ、クレーンを使って編み込み、トラックで運ぶことができるようになりましたが、昔の方は全て手作業で行っていたと考えると、苦労が目に浮かびますね。

出雲大社一番人気のお守りは「縁むすび糸」

”出雲大社で参拝を終えて、大しめ縄も見たので終わり。”ではなく、そのまま帰ってしまうのは勿体ないですよ。

出雲大社には「縁むすび糸」と呼ばれるお守りが有名です。

縁むすび糸

お守りの袋には、出雲大社からのコメントも記載されており、出雲大社の参拝を思い出しながら読み起こしていただくと言葉の有難みを感じることができます。人によっては、ミサンガにしたり5円玉にくぐらせたりと、縁むすびの糸のご利益を信じて肌身離さず持っていますね。

お守りの効果は1年とされておりますので、基本1年経過したら出雲大社もしくは分院に返却することがマナーとなっていますので、ルールを守って縁むすびの糸を使用していきましょう。

種類豊富な出雲大社の「お守り」

出雲大社の参拝を終え「縁むすび糸」も購入したので完璧と思う前に、もう一度お守りの種類を見てみます。

そこには、数多くのお守りが存在していますね。

縁結び関係だけでも、「縁結守」に「えんむすび守」、「縁結絵馬」、「幸縁むすびストラップ」、「縁結びの箸」など数多くあるので迷ってしまいますね。

出雲大社のお守りは、どれも同じ「縁を結ぶ」効果があるので、自身が好きなものを購入することがオススメになります。

あくまでもお守りなので、飾ることよりも身につけることでご利益を得るため、肌身離さず持てるお守りを購入すると良いですね。

出雲大社を全国に広めた「御師」の存在

出雲大社が全国に名をとどろかせるきっかけとなった立役者が「御師」と言われております。

この「御師」は戦国時代から活発に活動を始めたと言われ、車や新幹線、飛行機もない時代に全国から出雲大社に人を集めるために全国を行脚しながらお札を配ったり、ご祈祷をしたりして、大国主大神の名を言伝に広げていきました。

ただ、それだけでは出雲大社の名が広がるだけで人がわざわざ訪れることはありませんでした。そのため、出雲大社が行った行動は大きく2つあります。

1つ目は「富くじ」。
年2回境内で開催され、出雲を代表する豪商には当時の「富くじ」で23万1260貫文の儲けがあったと言われ、1貫文は現在のお金の価値で言うと約1万円とされているため、約23億円の利益を出していたと考えられますね。
2つ目は「蕎麦の無料券」。
出雲御師がグループなど団体のツアーを組み、出雲大社の話と蕎麦の無料券をPRしたことによって、多くの人が集まったと言われております。

出雲大社とゆかりのある荒木屋の「割子そば」

出雲市に古くから伝わる「出雲そば」は、日本三大蕎麦の一つと言われており、長野県の「戸隠そば」と岩手県の「わんこそば」に並ぶ1つと言われております。

その中で、出雲大社の歴史を支えてきた江戸時代後期からOPENして200年以上の歴史を持つ、出雲そばを提供するお店の中では最も古く歴史のあるお店でもあります。

お店で味わうことができる「出雲そば」は割子と呼ばれる丸い器にそばを3段重ねることが特徴的で、これは江戸時代に立ちながらお弁当感覚で味わうことができるということから始まったとされます。

「出雲そば」は、玄そばを石臼で挽いた少し黒みかがった色合いが特徴的なコシの強い蕎麦となります。

噛めば噛むほど出てくる蕎麦の豊潤な香りが口の中で広がるのも出雲そばの楽しみ方の一つ。

蕎麦をそのまま味わっても美味しいですが、ネギや紅葉おろし、刻みのりなどをトッピングすることで、また違った味わいを楽しむこともできますね。

出雲大社の知名度向上と発展には、この「出雲そば」あってこそと言われるほど、欠かすことのできない名物でもあります。

<荒木屋の基本情報>
住所:島根県出雲市大社町杵築東409-2
電話番号:0853-53-2352
アクセス:一畑電鉄大社駅から徒歩9分

ぜんざい発祥の地の名物「出雲ぜんざい」

出雲そばに並ぶ出雲名物があります。それは「出雲ぜんさい」。

なぜ、出雲の地でぜんざいが発展したかというと、「神在月」に行われる「神在祭」にて、参拝者に振舞われたのが「神在餅」と呼ばれている「ぜんざい」になります。

ぜんざいという言葉は、もともと「じんざい」を出雲弁で訛ったことで「ずんざい」と言われ、そこから変化して「ぜんざい」と呼ばれるようになりました。

そのため、出雲の地は「ぜんざい発祥の地」とまで言われていますね。

出雲の地には多くのぜんざいを味わうことができるお店がありますが、中でもオススメなのが「日本ぜんざい学会 壱号店」です。

こちらでは、「縁結びぜんざい」が人気を集めており、紅白のやきもちが入っており、これは「ヤキモチ焼くほど仲が良い」という意味を含んでのメニューとなります。

縁結びぜんざい

餅の旨味と小豆の甘みのある味わいを2人仲良く、もしくは、これからの出会い求めて味わうのも一つの「縁結び」のご利益にあやかってのものですね。

<日本ぜんざい学会 壱号店の基本情報>
住所:島根県出雲市大社町杵築南775-11
電話番号:0853-53-6031
アクセス:一畑電鉄出雲大社前駅より徒歩で約3分

六本木にある出雲大社「出雲大社東京分祠」

最後に、出雲大社の効果を東京でもあやかりたいという方に朗報があります。

実は都心でもある六本木に「出雲大社東京分祠」があり、御祭神大国主大神の御分霊を奉斎する都内唯一の分祠があります。そこは、駅から少し歩いた先にあり、階段を上ることビルの3Fで参拝をすることができますね。

出雲大社東京分祠

もちろん、ここ六本木にある「出雲大社東京分祠」でも「縁むすびの糸」を手にすることができたりと、出雲大社にいるのと同じ体験をすることができます。

参拝方法も出雲大社と同じであるため、2礼2拍手1礼ではなく「2礼4拍手1礼」を意識して参拝するようにしていきます。

<出雲大社東京分祠の基本情報>
住所:東京都港区六本木7-18-5
電話番号:03-3401-9301
アクセス:東京メトロ日比谷線六本木駅より徒歩で約1分

大切なのは、信じる「清き心」と「誠実さ」

今回、出雲大社の正しい参拝ルートと出雲大社にまつわる歴史についてご紹介してきました。

過去に出雲大社を訪れたことがある方は、正しい参拝ができていましたか?

これから訪れる方、訪れたいと考えている方は、出雲大社の正しい参拝ルートで清らかな心をもって参拝をしていただきたいと思います。

出雲大社での参拝が住めば、江戸時代から続く名物の出雲そばを食べ、まだお腹に余裕があれば「出雲ぜんざい」まで味わうことで、お腹の中から幸福な気持ちを湧き立てることで、新たな出会い、そして現在の縁を大切にしていくことができます。

ただ、出会いは“運命”でもあります。

そのため出雲大社を訪れたから安心と思うのではなく、出雲大社で心を洗い、誠実な心で新たな出会いと向き合っていくことが一番大切になりますね。

この機会に是非、出雲大社に訪れてみてくださいね。

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