恋とはどんなものかしら

    作者:琴美むく

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高校性の頃、生物の授業で隣に座っていた素朴な男の子がちょっと好きでした。
クラスも違ったため、週に何時間かのその選択授業の間だけがその男の子との接点でした。

特に仲が良いわけではなかったのですが、授業で分からないことがあった時に
「これってこういうこと?」と話しかけてくれたり、何か忘れ物をした時に貸してもらったり、
何気ない一つ一つのことにじんわりと幸せを感じていました。

ある日、その授業で席替えがあり、先生が私たち二人が仲良さそうにしているのをからかって
「お前らは席替えせん方が嬉しいじゃろ」と笑って言ってきました。

特別、付き合いたいとか、大好き!という感情はなかったものの、
好きな気持ちが周りにばれている!とかなり動揺してしまいました。

そんな私をよそに、男の子の方はきょとんとして
「席が一番後ろだからかな」とコソコソ私に聞いていました。
先生が冷やかしてきた意図に全く気づいていないのです。
私に対して好きとかそういう感情は全くないのだな…と気づかされ、軽い失恋を味わいました。

その後席替えで席が離れ、会話をすることもなくなってしまいましたが、
高校を卒業して10年経った今も、時々思い出して温かい気持ちになります。