暑い暑い京都で

    作者:とり乃から揚げ

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夏が来るたびに思い出します。
京都祇園祭のデート。

まだつきあいだして2ヶ月くらいだったかな、祇園祭へ浴衣で行こうと約束をしました。

時間を決めて待ち合わせ場所まで
熱気と暑さ、人混みの中の待ち合わせは彼を探すのにも一苦労でした。
お互い見つけた時には笑顔がこぼれたものです。

山車、演奏の笛の音、鉦の音、人混みの中
特にあてもなく歩いていました。

時々彼が先に歩いて行ってしまい、見失うこともありました。
何度目かに彼を見失ったとき、『待って』という私の声も喧騒の中かき消され、
彼はとうとう見えなくなってしまいました。

どうしよう。
人ごみの中、待ち合わせても無事に出会えるか分からず
不安になりながら歩いていると、急に大きな手が私の腕をつかみました。
彼が私を探してくれたのです。

無口な彼は私の腕を取って一瞬ニコッとしたように見えました。
ただただ祇園祭の喧騒の中を手を繋いで歩いているだけなんだけど
彼が私を守りながら歩いていてくれるようで、幸せを感じながらついていきました。

蒸し暑かった京都の淡い思い出は、いくつになっても忘れられません。