まさかの再会

    作者:川上奈々

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私が28歳のときに勤めていた歯科医院でのことです。

いつものように仕事をしていると、スーツを着た背の高い男性が来院しました。
私は忙しさもありその男性の顔をしっかり見ることもなく、新患の受付業務をしました。

そしてその男性から手渡された保険証を見てビックリ!
中学生の時3年間ずっと好きだった男子生徒と同じ名前でした。

とても変わった名前なので高い確率で本人に間違いないとは思いましたが、当時の彼は背が小さく
体格もかなり痩せていたので、頭の中では今目の前にしている男性と一致しませんでした。

「あれ?!○○くん?」と思わず声を掛けると、彼は数秒私の顔を見て
「エッ?○○さん?なんでここにいるの??」とお互い13年ぶりの思わぬ再会でビックリしました。

当時好きすぎて目も合わせることさえ恥ずかしかったのですが、患者さんとしてお迎えしたからには
恥ずかしがってもいられませんでしたので、冷静を装って彼の治療に専念しました。

治療台で目をつぶっている彼はヒゲも生えてすっかり大人の男性になっていましたが、ふとした表情に
中学生だった頃の面影が見えて、当時の甘酸っぱい思い出が蘇りました。

その後何回か治療に来院したのですが、治療の最終日に彼から「この再会、運命だと思わない?」と言われ
心臓が飛び出るかと思うくらいドキドキしました。

15歳の時に終わったと思っていた片思いが、まさか13年後に両思いになるとは思ってもいませんでした。
運命ってあるんだなと思いました。