アプリでの出会いはろくなことない!?

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私が社会人になりたての頃、マッチングアプリが登場しました。
新しい物好きの私は、友達と一緒に面白半分で始め……そこで、彼に出会ったのです…

彼は年齢、地元が同じのカズという男性。
当時はアプリで気を付けることなど気にせず、写真が不明瞭だったり職業や年収欄が空欄であっても特に気にせず、実際に会う運びになりました。

待ち合わせ場所は駅のロータリーを指定され、緊張しながら待っていると1台のイカツイ外車が停まり、ぴたっとしたシャツにスキニー、夜なのにサングラスをかけた人が運転席より降車。
まっすぐに私に近づいてきて、サングラスを外し

「…ゆきさん?カズです。さ、乗って…」

あの人だったらやだなーと思ってた人が声をかけてきて、写真と印象が違いすぎて思考能力停止。
あわあわしながらもここで帰るわけにもいかず車に乗り、食事へと出かけました。
何か悪気があるわけでもなく、怪しいわけではないけれど時折見せる自分に酔ったアンニュイな表情やしぐさ

【これはこれで、面白い人なのかもしれない】

と、私なりにこの場を楽しみました。

「それじゃあそろそろ、出ましょうか。」
「そうですね…あ、会計は僕が。……領収証をお願いします。」

【いや、経費で落とすんかーーーーい!!笑】

スマートに見せかけて初回のデートを領収書で落とす(彼は個人事業主)という技に内心ツッコミまくり
帰路に着き、LINEでお礼を伝えると

「ゆきは、ダイヤモンドの原石だよ。磨けば光るから頑張ってね。」

【急に呼び捨て(笑)ダイヤモンドの原石てなんや(笑)アラジンか(笑)】

彼の独特なワールドになぜか怒る気にはならず、変なヤツとして認識し、なんだかんだで気が付けば付き合っていました。


お付き合いしてからも、原色のポロシャツで現れたり、全身ブランドで固めてみたり、夜にサングラスをかけてみたりと、一緒に歩くには恥ずかしい場面も多々ありました。
小言を言ってもポジティブに受け取られ反省してくれないことが疲れることもありました。

しかし、内面はロマンチックで彼なりに私のことを心から愛してくれる素敵な男性でした。

数年共に過ごし、お互いの価値観の違いから私から別れを切り出し別れるに至りました
しかしその後も、彼は友人として私のことを好いてくれ暫くは彼女も作らずに私がまた好きになってくれるようにと努力してくれました。


あれから数十年。
私の職場の近くで彼は店を構えており、時折お客さんとして彼と話します。
ただ違うのは、お互いの左の薬指にはそれぞれの大切な人との指輪が光っています。

私たちの道は再び重なることはありませんでしたが、今では昔を話せる友人の一人です。
アプリという刹那的な出会いを繰り返すシステムの中で、恋人を経て友人となるケースは珍しいのかもしれません。
色々な意見があるとは思いますが、私はこの出会いを友人として大切にしたいと思っています。

written by ゆき

エピソード投稿者

ゆき

女性 投稿エピ 3

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