精一杯の大人のふり

精一杯の大人のふり

大学1年生の夏、友人のお家に遊びに行った時、知り合った男性がいました。
（友人のご両親は出かけていて、その日は帰ってこないという日だったと思います）

たまたま友人のお兄さんもお友達を招いて、遊んでいました。私たちはそこで出会いました。
私は19歳、彼は27歳。8歳も離れていたのです。

せっかくだから、ということでお兄さんに誘っていただき、一緒にゲームをしたり夜ご飯もみんなでお家で作って食べました。
ご馳走になったお礼に片付けようと、台所を借りていたら彼が「俺も手伝うよ」と手伝ってくれました。
この時まで実は話したことなく、とても緊張してドキドキしていると、「緊張してる？」と優しく声をかけてくれました。「そんなことないですよ」と少し顔を赤くしながら、何も気にしてないフリをして答えました。世間話をしながら2人で片付けを終え、みんなと少し話して解散となりました。

その日の帰り友人に
「今日はありがとう！めっちゃ楽しかった〜また近々あそぼ☺︎
ていうか、Yさん（彼のこと）めっちゃかっこよかった。笑」
と、お礼のLINEを送りました。
すぐに友人から返信がきて
「こちらこそ〜片付けしてくれてありがとうね！
お！一目惚れっすか〜？？笑」
などと、彼のことで友人とLINEが盛り上がり、私は一目惚れをしていたことを自覚しました。

数日後、友人が「お兄ちゃんが、にこの連絡先知りたいって言ってたけど、教えていい？」と聞かれ、何も考えず「いいよ〜！」とすぐ答えると

その夜、連絡先を教えたお兄さんではなくなんと、YさんからLINEがきました。
とてもビックリして飛び起きて、画面を開くと
「この前はありがとう！すごい楽しかった
また、遊べたらいいなーって思ってLINEした！」
と書いてあり、私は嬉しさと不思議さで混乱していました。
とりあえず、
「こちらこそありがとうございました！
私もとても楽しかったです☺︎
ぜひ！遊びましょ〜」と、返信しました。
Yさんも私も仕事や、大学での実習などで忙しくなかなか会えない日が続きましたが、毎日かかさず連絡を取りたまに電話などしているうちに
いつのまにかYさんのことが好きになっていました。
毎日とる連絡の中で、大人のフリして好意をほのめかしているけれど、Yさんはいつも妹扱いでさらっと流してしまいます。
その扱いにモヤモヤする日々を過ごしていると
2人の多忙期が落ち着き、遊びに行こう！ということになり、Yさんの車で出かけることになりました。

ドライブ中、何気ない会話をして2人してよく笑っていたけれど、2人とも少しの間沈黙しました。
その時、Yさんが「俺の彼女になる？」といきなり言い出したのです。
言われた瞬間心臓のドキンっという音が聞こえてしまうのでは？というくらい大きく鼓動しました。心臓はドキドキして頭の整理もつかないまま
私は、精一杯大人のふりで「え、、いっつも妹扱いじゃないですか〜冗談が過ぎますよ！！」と笑いながら言うと
「そうやんね〜ごめんごめん」と何事もなかったかのように、世間話に戻りご飯を食べ、解散しました。

ずっと片思いだと思っていた恋で、彼女になれるなんて全く思っていなかったのに
目の前に彼女の座が出ると、Yさんの真似ごとみたいにさらっと返してみたら
それで終わりました。。

あの時、大人のふりなんてせず19歳のまんまの素直な気持ちをぶつけていたら、今とは違っていたのかな？と思います。

〈補足〉
今でもYさんのことが大好きです。
そして、今も妹キャラで仲良くしてもらっています（切ない、、笑）

written by にこ